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タイトル名 |
雨の朝巴里に死す |
レビュワー |
keijiさん |
点数 |
2点 |
投稿日時 |
2010-01-28 08:32:52 |
変更日時 |
2010-01-28 08:32:52 |
レビュー内容 |
男性主人公の奇怪な感情表現演技/演出が延々と続き、ほとんど笑い出したくなるほどコミカルな印象になってしまう。これはフィッツジェラルドであるわけがない。おそらくこの映画の背後には、規範としての「幸福な家庭生活」というものが思い描かれていて、そこから崩れ落ちて行く男女のドラマを想定しているのではないかと思えるのだけれども、フィッツジェラルドはそんなことは書かないだろう。もっと狂おしいまでのデカダンスの世界であるべきでないのか。
作家志望のジャーナリストという設定、セレブらの享楽的世界に巻き込まれて行く主人公というのは、フェリーニの傑作「甘い生活」を想起させられる。そう見ると、ヴァン・ジョンソンとマストロヤンニとの格差、リチャード・ブルックスとフェリーニとの力量差のみ目立ってしまうことになる(リチャード・ブルックスには、もっと良い作品もあるのだけれども)。
舞台がパリなのに、あまりそういうヨーロッパらしさも感じられない映像でもあった。 |
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