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タイトル名 |
残菊物語(1939) |
レビュワー |
keijiさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2013-12-13 17:26:40 |
変更日時 |
2013-12-13 17:26:40 |
レビュー内容 |
溝口健二監督という存在、「巨匠」とは呼ばれていても、どこか認知度が薄い気がする。代表作は「雨月物語」ということになっているけれども、それでいいんだろうか。そのあたりで、(決して「雨月物語」がダメというのではなく)認知度の低い原因にもなっているようにも感じる。‥‥溝口監督の作品には、どれもそれなりの欠点が内包されている、などと生意気なことをいいたくなってしまうところがあるのだけれども、十本ぐらいの監督の作品を観て、いちばんにバランスのとれた「傑作」は、この「残菊物語」ではないのかと思う。ストーリーは定型の旧社会の中での「メロドラマ」ではあるけれども、ヒロインはそれでも、いつも「前」を向いている。そこに「感動」のタネもある。みごとな長回し、ワンシーンワンカット、そして、ひんぱんに登場する「階段」の活かし方。ラストの簡潔な「対比」の効果。すばらしい。映画というものの演出の、ひとつの規範ではないのか。‥‥もちろん、西瓜のシーンとその反映は、あまりにすばらしいではないか。 |
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