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タイトル名 |
狼たちの午後 |
レビュワー |
tottokoさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2013-10-22 01:11:25 |
変更日時 |
2013-10-22 01:11:25 |
レビュー内容 |
アル・パチーノは本当に何をやらせてもちゃんと掴むなあと思う。髪形を変えるとか体重を増やす減らすとか頬に綿を詰めるとか、そういう外見変化に頼らずに見た目はアル・パチーノその人なまま、マフィアもチンピラも不良刑事etc・・も見事に演じ分ける。 今作ではこれまたコクのあるJ・カザールと駄目な銀行強盗犯役。なにしろ冒頭からライフルを構える手際の悪さぐだぐだで、一瞬コメディなのか?と思うがさにあらず。本人たちは実に必死で人生を賭けた大一番なのだった。しかし今ひとつ考えが足りなかったり行き当たりばったりで全く場をコントロールし切れない。一生懸命やっても上手くいかないこの釈然としない思い。人が皆抱くこの哀しさ、特にJ・カザールはもうそこにいるだけでダメ人生がにじみ出そうな佇まいでほんと他人事でなくどこか愛おしくもあり、ワタシもすでにストックホルム症候群に軽く罹患しているのを自覚する。 dog day、うだるような暑さ。タイトルそのままに暑さが、やり切れなさが画面から漂ってくる。当時のどん詰まった世相をも切り取った映像は重たくずっしり。名作。 |
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