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リチャード・ジュエル - tottokoさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 リチャード・ジュエル
レビュワー tottokoさん
点数 7点
投稿日時 2020-01-31 17:08:19
変更日時 2020-01-31 17:08:19
レビュー内容
監督としてももはや御大のイーストウッドの、手堅くもこなれた演出が安定感抜群です。各人物のキャラの引き出し方も上手いし、爆発物発見から惨事に至るまでの緊張に満ちた臨場感、その後に押し寄せるメディアリンチの恐ろしさを途切れず一気に見せます。流れるようなイーストウッドのタクトに合わせて、役者陣も良い仕事をしています。キャシー・ベイツの母親ぶりはこちらの同情を一身に集めます。サム・ロックウェル扮する弁護士はキレ所が観客と同期しているので、こちらの感情を預け易い。リチャードが権威に対してあまりにお人好しなところを見せるたび、ワトソンと一緒に一喝したくなりますもんね。FBIは気の毒なほどにクソな役回り。ボビのタッパーに油性ペンで印書きやがって。腹立つ。
強烈なのがアトランタ地方紙の記者役のオリヴィア・ワイルド。こう言ってはナンですが、彼女のやや軽薄っぽいキツイ顔立ちがキャスティングにずっぱりハマってまして、その自己中な仕事ぶりで観客の憎悪を一身に浴びる損な立場なのですが、めげないオリヴィア満点のヒール役でした。ただ、後半不思議なことに彼女の強気が突如ブレ出すのには、説明が足りない気がします。この女性記者は実在した人物(それも故人)なので、脚色の仕方が不適切だと一部で非難の声が上がったとか。ために、監督の手綱も少し緩んだのかなあと想像しました。少しは人間味のある所をこの女記者にも用意しておこうと。
ハマっていたのはもちろん主人公のP・W・ハウザーも。変わり者だけど性根の善良なリチャード・ジュエルを丸々した雰囲気(と容姿)で好演しています。FBIに自分の尊厳をもって一撃を浴びせた場面は静かなれど感動を覚えるクライマックスでした。
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