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タイトル名 |
パッセンジャーズ |
レビュワー |
ヘイターインサウスさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2012-07-08 15:49:26 |
変更日時 |
2012-07-08 15:53:33 |
レビュー内容 |
見ている途中でオチが気になっちゃうのは仕方が無いところ。 今やこの手のオチもありふれちゃってますが、そんなメタな視点で見るのは無粋ってもんでしょう。私はこの映画がすごく気に入ってしまった。
私にはこの映画はただオチで驚かせるだけの話には見えなかった。 この手のオチを仕組んだ映画では、主人公の鈍さや拒否・否定などにより真相が隠されている訳だが、この映画はそこのところが他に比べてわかりやすい。 普通に見てれば誰でも違和感を感じるはず。実は監督の意図はここにあるのではないだろうか。
カウンセラーは決して自分の話しはしない。相手の話を聞いてあげる観察者の役割だ。 その役割でいようとするクレアは他の誰よりも真相を拒否する厄介な子である。 だがそれが人間的でいい。彼女は他の人よりもちょっとだけ生きたいって気持ちが強かった訳だ。 そんなクレアが次第に身の回りの不自然さに疑問を感じていく。 少しずつ真相へと近づいていこうとする彼女と見ている私がここで繋がるのである。 そして全てを理解した時、彼女が感じた心の温かさを私も感じることができたのだ。 ありきたりなオチの構造が、見ている私に彼女と同じようにそれを体験させてくれたのだ、というと大げさすぎるだろうか
さてさて、はじめクレアはカウンセラーという立場を固持して自分自身を見ようとしなかったが、実は彼女自身も事件(映画)の主役であったわけだ。しかし彼女は最後には観察者の立場を捨てて、自分の人生に向き合った。椅子に座って映画を見ていた私も彼女と同じ観察者といえるのではないだろうか。「次は君の番だ」エリックが素敵な笑顔でそう語りかけているような、そんな心の温かさを感じている。 |
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