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兄とその妹(1939) - ろんべえさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 兄とその妹(1939)
レビュワー ろんべえさん
点数 8点
投稿日時 2013-02-16 17:48:19
変更日時 2013-02-16 17:48:19
レビュー内容
以前録画して長らくみていなかったので、消そうかと思い確認のため見始めたら
意外にも面白く、最後まで見てしまいました。
平凡なタイトルに、最初の10分ぐらいは平凡に見える家庭そのもの…
やっぱり消そうと思ったところで、妹の出勤服を見てびっくり。
さらに、その出勤風景、妹の仕事ぶりと驚きの連続でした。
1939当時、彼女は相当なキャリアウーマンだった筈で、
しかも、英語能力は上司の日本語をその場でビジネス英語でタイプ。
現在でも、これだけの技能を持った人は男女関係なくそうはいません。
兄の方はずっと木訥とした感じですが、
妹は正反対。主人公はいわば彼女で、当時の観客には相当インパクトがあったと思います。

先日、小津の「生まれては見たけれど…」をテレビで再見し、
それと合わせて考えると、1930年代は僕等が想像しているより遥かにサラリーマン生活が定着していて、それが前提の物語です。
社内での誤解や嫉妬で、会社を何度も飛び出す兄。
最後には、満州を目指しますが、
一般の人間にとっては満州は、チャンスの土地で、
現代のアジアと同じ感じだった。
(この辺りの編集表現は同じ頃製作された「新しき土」と較べるとはっきり違いがわかります)
中国も十年前はマスコミ、経済界こぞってそういっていましたが、
今では雰囲気違います。

何だか歴史は繰り返しているように思え、
兄が抱えている閉塞感は、失われた三十年間に突入の現在、
このプロットは今でも使えそうな気がします。
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