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タイトル名 |
七人の侍 |
レビュワー |
Jar_harmonyさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2011-07-10 14:19:27 |
変更日時 |
2015-05-15 23:14:49 |
レビュー内容 |
素晴らしい。どうせ皆周りの評価や世評に流されて絶賛してんでしょ、とか思ってました。すいませんでした。本当に面白い。ストーリーは至って単純。「百姓を守るため野伏せりを討つ」。ただそれだけの話。しかし、それだけでいいのです。映画のストーリーはこれくらいシンプルでないといかん。一見、魅力的な数々のドラマが集まって出来上がっているように映りますが、それら全て「野伏せりを討つ」というひとつの目標によって貫かれています。侍を探すのも野伏せりを討つため、砦を作るのも野伏せりを討つため、雨の日の決戦ももちろん野伏せりを討つため。そのストーリーのシンプルさが、三時間の長さを感じさせない面白さに繋がっているのです。また、侍集めや砦作りなど、ひとつひとつのドラマにフォーカスを当てても面白い。とんとん拍子に事を運ばせてもなんの面白みも生まれないことを、この映画はちゃんと心得ています(荒野の七人はここらへんがちと食い足りない)。侍を集めようとしても、しょっぱい報酬にキレる侍にぶち当たる。砦を作ろうとしても、やむを得ない犠牲に納得のいかない百姓らがボイコットを起こそうとする。そして、作戦を履行しても、侍たちがひとりまたひとりと散っていく・・・。それらのトラブルもごく自然な流れでストーリーに組み込まれてるので、すっと作品世界や登場人物の気持ちに入り込めます。見事なシナリオです。
さて、魅力的なキャラクターの宝庫でもある『七人の侍』。ひとりひとり全員を語れそうですが、とりあえずピックアップして二人分だけコメントを。まず、シナリオ的にかなり優遇されていたのは勝四郎くん。彼の持ち味は「若さ」。その象徴として、彼はいろんなものに次々と憧れていきます。最初は勘兵衛に憧れ弟子入りを志願、その次には百姓の娘の志乃に恋に落ち、野伏せりとの戦いの中で凄腕の剣客の久蔵に感銘を覚えたりと大忙し。むさくるしい面子が揃う中、彼の青臭い言動は爽やかな風を吹かす清涼剤となっておりました。もう一人は久蔵。彼は本当になんでもでき子ちゃんですね。物見を斬ったり、敵の本拠地襲撃にスッと参加したり、単独で種子島を奪ってきたりと、上げた成果は数知れず。とりあえず久蔵を働かせておけば間違いないみたいな空気があります。さすが、侍たちの中でも「強さ」がアイデンティティとなっているだけのことはあります。勝四郎と志乃の密会をこっそり、でもしっかり覗き見るところもまた人間らしさがにじみ出てていい。
掛け値なしの面白さ。この映画と同じ国に生まれたことが誇りです。 |
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