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タイトル名 |
クロエ(2009) |
レビュワー |
mikiさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2012-07-17 10:04:30 |
変更日時 |
2017-07-27 17:17:40 |
レビュー内容 |
いつでも、いつまでも美しくありたいと思い、願うのは女性の夢であり、本能だと思う。その「美しさ」を備え、必要とするエスコートガールとして「女」を仕事にしているクロエの官能的な美がスクリーンを隅々まで満たすOP。そんな若く、魅惑的なクロエを職場の窓から見つめていたキャサリン。面識のない彼女をどうして、思いつめた様に見つめていたのだろう?実年齢が2回り違う女優のキャスティングが絶妙で、物語っている。日々感じる老いと、美しさを保とうとする焦りと不安。私にもかつてあんな女盛りの時があったのに・・・、という羨望の眼差し。主婦として、婦人科医として成功し、リッチな家に住み、何不自由ない暮らし振りに見える女の悩みと孤独。キャサリンに扮するジュリアン・ムーアの、繊細で説得力ある視線と仕草、一つをとっても性と、若く美しい女性に対する男(夫)の態度に苛立ちを露にする様がひしひしと伝わってくる。対象的に、文字通りの小悪魔的でその特徴のある大きな瞳とその容姿。キャサリンに無い肉体的な若さと、表面的な美しさを強調しているクロエに扮するアマンダ・セイフライドの魅力。そんな2人を的確に象徴するかの様に、2人の手が触れ合い、同時に映し出されるカットが何度も出てくるが、どれもとても印象的で、2人の「差」を明確にしている。「自分」に自信を持てなくなったキャサリンが、エスカレートするクロエの「偽り」の告白と、思いがけないキスにより、ついに自らクロエの元に行ってしまったキャサリンは、クロエを通して夫・デビッドを感じたかったのか?それとも性の衝動を、今はクロエにしか求める事が出来なかったから?常に求められる側にいたクロエが求め、応じてもらえなかった。小さくても愛すべき「何か」を探し、応じてきたクロエ。彼女もかつて人を愛し、キャサリンの気持ちが理解出来たからこそ、その現実はあまりに辛く、苦しかったに違いない。穏やかで安らぎに満ちたクロエの最期の表情は、キャサリンの「夢」になれたから。2人だけの秘密は、秘密でなくなってしまったけれど、クロエはキャサリンの心の中で生き続けるんだという、ラストのかんざしのカットが、何とも言えない、喜びと悲しみの余韻を深く、深く残していく。兎に角、撮影、照明、アングルによる映像美が一級。主演女優2人が会うバーやカフェでのシーンが特に艶っぽく、何度でも見たくなる「逸品」だと思います。 |
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