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タイトル名 |
アメリカン・スナイパー |
レビュワー |
mikiさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2015-03-02 16:15:51 |
変更日時 |
2015-03-03 05:17:36 |
レビュー内容 |
先に言ってしまうと、本作のエンドクレジットは無音である。多分、鑑賞した人は皆同じ感慨に浸るのではないでしょうか?それは深く、重くのしかかってくるもの…。本作が、イーストウッド監督が伝えたかったもの、正解の無い、不確かな現実で生きた兵士の、戦争が生んだ後遺症の傷痕が残したもの。たかが(と言ってしまうのは大変失礼だが)映画のエンドクレジットでこれ程までの『重さ』を伝えてくるとは!それはオープニングからの演出が一気に観客を引き込んでしまったからだ。あの息も詰まる様な狙撃に至るまでの演出。クリス・カイル本人は原作に「人には分かってもらえない。」と書かなかったそうですが、イーストウッドはありのままを本作に映し込んだ。敵となるイラク兵達を「savages」と呼んだ事などもそう。まさに部外者が後から口出しするのは簡単だし、そんなのは偽善だと思う。まして「議論」が巻き起こるのは当然の事で、それは話題の裏返しに過ぎない。僕はいち観客としてこの映画を非常に興奮して観れました。映画らしい一流の狙撃手同士の戦い。昨今のそれに比べると派手さなど控えめかもしれませんが、その分狙撃シーンの迫真さが際立つ。ブラッドリー・クーパーは肉体改造もさることながら、相手の命を奪う事に対する正当性やその支えになる正義(本当にそうだったのかは僕には分かりませんが)を見出す苦悩と、帰国してからのクリスという二面をこなし、非常に繊細な演技で派手さが無いので普通に見過ごしてしまう様な、印象の薄い演技でしたが、見返す度にその『繊細さ・普通さ』がどれ程のものか、分かる時が来るでしょうか。またあのエンドクレジットの余韻に浸りたい。 |
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