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タイトル名 |
恐怖ノ白魔人 |
レビュワー |
かっぱ堰さん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2024-09-14 10:31:11 |
変更日時 |
2024-09-14 10:31:35 |
レビュー内容 |
松竹配給の「恐怖ノ」シリーズだが、今回は邦題の「白魔人」がちゃんと実態に即している(白い)。年齢の関係からか布団に潜りたい欲求があったらしい。股間の造形には少し感心した。 原題の「Aux yeux des vivants」は若干意味不明だが、要は映画の最後の一言がこれのようだった。
当初は陰惨な場面から始まるが、その後はのどかな田園風景が心を和ませる。これからクソガキ3人組の冒険ファンタジーとか、夏休みの思い出を作る物語が始まりそうな雰囲気があり、これはもしかして3人とも生き残るのかと思ったらそうでもなかった。しかし終盤ではまた花火を上げてしみじみした家族ドラマの風情になったりして、これは一体何の映画だったのかと思わせる。 一方で白魔人の場面は残虐で悲惨なのでファミリー向けとも思えない。性質の異なる2つの流れが並行する変な構成かと思ったが、これは最後に家族愛のある一家と、家族を欲しても得られない男との対比を際立たせる意図とは思われる。どちらかというと家族を欲していた男の悲哀を描くのが映画としての本筋かも知れないが、個人的には別に共感もしなかった。 そのほか背景設定に関して、例えば「ランボー」(1982)のような帰還兵の問題や、化学兵器に関わる事件がフランスでもあったのかと思ったが、実際どうなのか確認できなかった。どちらかというと化学兵器より劣化ウラン弾のイメージに近いだろうが、そのように世界のどこかで起きたことをネタにして、何らかの社会批判を込めたようでもあったがよくわからない。 いろいろ微妙なところはあるが、娯楽性の面では面白くなくもない映画だった。
その他、廃校とか廃病院でなく廃映画撮影所を隠れ家にしていたことや、「人生は映画だ」というのは制作側の映画愛の表現か。またクソガキ2人の家で見ていた白黒映画は多分「蜂女の恐怖」(1959米)である。この手の映画を愛するスタッフがいたらしいが人にお勧めするようなものでもない。 |
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