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タイトル名 |
オンネリとアンネリとひみつのさくせん |
レビュワー |
かっぱ堰さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2020-05-30 10:26:06 |
変更日時 |
2020-05-30 10:30:26 |
レビュー内容 |
シリーズ3作目になって子役がかなり大きくなってしまっている。小学生にしては体格がよすぎるが(特にオンネリ)、2004年生まれとすれば一応12歳だったらしい。 レギュラーの登場人物も少しずつ出ていて、ブタがかなりカラフルになってリボンがついたりしているのが目についた。庭でオカリナを吹く人物がいたのはいわゆる死亡フラグのようだったが、最後はハッピーエンドに決まっているので誰も心配していない。ほか今回、魔女姉妹の栽培していた植物はさすがに異様すぎる。 映像面では、今回は収容所が出る話なので、このシリーズにしては珍しく無彩色に近い場面もあったが一応は暖色系になっている。所長がいないと子どもらが勝手に動いているのが可笑しい。また小物ではネズミの動きがユーモラスで面白かった。
ドラマ的には何を読み取るべきかわからないが、まずはどんな人にもそれぞれふさわしい居場所があるという意味か。元警官も子どもらも、本来なすべき仕事のできる職場が実現したのはいい結末だった。所長などは異世界に追放されたかのようだったが、これでも一番幸せな居場所ということらしい。ちなみに映画の原題と英題は同じ意味だが、この所長にとってはUFOがMysterious Strangerだったのかも知れない。 またこの所長が自称していたjohtaja(リーダー)と、市長Kaupunginjohtaja(市のリーダー)を対比させることで、指導者というもののあり方を語っていた可能性もあるが不明瞭だった。この映画で見る限り、どうせ政治家など自分の見栄えのことしか気にしていないので、要は賢く使うことを考えろ、という変な知恵をつける感じだったがそういう理解でいいかどうか。
そのほか雑談として、所長が子どもらの髪を梳く場面があったので、これはまさかシラミを取っているのかと思ったら何とその通りだった。この映画の原作”Onneli, Anneli ja orpolapset”(オンネリとアンネリと孤児たち)が発表された1971年の時点でもシラミはさすがにいなかったのでは思うが、これは孤児だから不潔と決めつけられていたと解すべきか。この場面の「まちがいだった」は笑った(達者な子役だ)。 もう一つ、市長役の役者は西部のヴァーサ出身で父親がケニア人、母親がフィンランド人とのことで、見た目にかかわらずフィンランド生まれのフィンランド人ということらしい。実際こういう黒人市長というのもありえなくはないわけだが、もしかしてオバマ大統領のように初の黒人大統領を目指す野心家という設定だったのか。 |
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