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タイトル名 |
バトル・オブ・バンガス |
レビュワー |
かっぱ堰さん |
点数 |
1点 |
投稿日時 |
2023-11-25 15:37:51 |
変更日時 |
2023-11-25 15:37:51 |
レビュー内容 |
何でロシアがアフリカで戦争するのかと思ったが、実は有名な民間軍事会社ワグネルのプロパガンダ映画とのことだった。背景にはロシアがワグネルを使ってアフリカで影響力を拡大しようとする動きがあり、この映画は2021~22年の中央アフリカ共和国での話だが、最近では2023年4月にスーダンで起きた武力衝突でもワグネルが存在感を見せていた。 原題のツーリストとは新米の主人公に指揮官がつけたコールサインである。当初は観光客のような意味だったらしく、またその後はいつまでも娑婆の気分でプロになり切れない奴というニュアンスも出ていたが、最後は本人が自分なりの意味づけをして終わっていた。なお改名前のコールサインは字幕に「ピオネール」とフリガナをつけた方がよかったかも知れない。
物語としては、劇中時点で予定されていた大統領選挙で元大統領を推す勢力(旧宗主国フランス?)が暗躍し、カトリック教会の神父を使って騒乱を起こそうとしたが、ロシアの民間軍事会社の働きで無事収まって現職大統領が再選され、地元住民に「ありがとうロシア」と言われたという話である。現地の国連軍は役に立たないものとして扱われている。 会社の業務は現地の兵隊を訓練することであって戦争しに行ったのではないが、しかし一方的な攻撃を受けて逃げる気もなく、また武装解除してまで他者の保護を受けるつもりもなく応戦する形になっていた。結果として最初に来たアマチュア武装集団も、次の少しプロっぽい軍隊もほとんど皆殺しで死屍累々の状態にして、ロシア人はスパルタ人のようなものだと敵方に言わせていた(参考映画「300<スリーハンドレッド>」)。また仲間の生命は味方を脅してでも救うといった姿も見せている。 日本でこれを真に受ける人々はあまりいないだろうが本国では入隊勧誘に役立ったりしたのかどうか。単純に映画としての印象はそれほど悪くなかったが、世間の風潮に合わせて点数は低くしておく。
その他、1980年代に隣国で起きた「トヨタ戦争」のように、今でもこの辺ではトヨタ車が多く使われているということなのか、敵味方と民間にもトヨタ車がやたらに目立つ映画だった。またプロパガンダ的に「米国人は民主主義のため、俺たちは正義のため」という台詞(字幕)があったが、これは民主主義自体は正義でも何でもなく(目的でなく手段)、民主主義のためだといえば何でも許されると思うな、というように解しておく。 |
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