|
タイトル名 |
呪怨2 (2003) |
レビュワー |
かっぱ堰さん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2014-11-30 22:25:43 |
変更日時 |
2015-12-12 15:03:06 |
レビュー内容 |
どうせまたこれまでと同じようなものだろうと思って見たら結構怖い映画だった。主人公の自宅で、何が出るか出ないのかわからない雰囲気の中に主人公が一人でいる場面などはたまらない不安感がある。また「千春」編では、傍らに人がいるかどうかもどこにいるかも関係なく、前後の脈絡もなしに突然異世界に引っ張り込まれて見たくないものを無理やり見せられていたのが非常に嫌な感じで、これでこのシリーズの特徴である逃げ場のなさがさらに強化されたように思われる。ほか今回は、変な場所で眠ってしまったところを誰かに名前を呼ばれた気がして目が覚めた、という感覚に少しこだわっていた感じもあった。
ところである出来事が発生時点より後でなく、発生以前にまで遡って影響を及ぼしていたのはこのシリーズとしては斬新である。また全体的によくわからない展開の中でも特に「千春」編は難解だが、ここでは千春にとっての結末が2種類あったようで、これは2つの並行世界それぞれで起こった出来事を示していたと解釈できる。かつ片方の千春は練馬の家に行っていない可能性があり、それでも結局呪われたということは、並行世界の境界を超えて呪いが及んだことを意味しているのではないか。これと前記の時間遡行を考え合わせれば、練馬の呪いは時空間の制約を受けずにどこまでもついて回るものであって、これはもうほとんど宇宙最強の呪いのようにも思われる。 今回の年代設定が2006年だったのは制作時点からすれば近未来だが、これは劇場版1の終盤部分と共通であり、両者は「千春」でつながっていることから、1と2は同時並行的な設定になっていたらしい。どこまでも同じことを続けるつもりでもなく、今回の劇場版では1と2の二通りの結末を見せていったん締めたという印象もある。ただ今作の趣向である世代継承ということ自体はそれほど感心するようなものではないが、まあ全体としてこのシリーズの中では見ごたえのある部類と思ったので、今回は珍しく少しだけいい点を付けておく。
なおキャストに関しては、いわゆるのりピーには個人的に特別な思い入れはない(世代的に少しずれている)ので淡々と見ていたが、新山千春とか市川由衣といった人々は見て損にならない。ほか個人的にはメイクの恵ちゃん(演・山本恵美)というのが外見的には地味だが登場人物として好印象だった。今回はこの人が一番かわいそうに見える。 |
|
かっぱ堰 さんの 最近のクチコミ・感想
呪怨2 (2003)のレビュー一覧を見る
|