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タイトル名 |
フェラーリ |
レビュワー |
Northwoodさん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2024-07-20 00:20:31 |
変更日時 |
2024-07-20 00:20:31 |
レビュー内容 |
思っていたのとだいぶ違う内容でした。 スピードとレースに憑りつかれたカリスマが、世界最高のスポーツカーメーカーを作り上げるまでの知られざる熱き奮戦記、というようなものを期待していたのですがさにあらず、結婚生活が破綻したにもかかわらず人生をリセットできない優柔不断かつわがままなオジサンのグダグダな二重生活が話の中心で、レースは添え物。 話の中で最もカッコよかったのが、ラスト近くの、破綻しそうなエンツォに現金を渡して救う、劇中ではずっと悪役然として描かれていた妻ラウラだったというのではちょっとね。 劇中で2名のドライバーが亡くなるのですが、観客はこれらの死に全く感情を揺さぶられない作りになっています。特に終盤に大事故を起こすデ・ポルターゴなどは、劇中出ずっぱりの重要人物なのに、彼が亡くなるシーンも、映像はそれなりに派手ですが、彼が死んでしまって悲しいといった感情は残念ながらわいてきませんでした。この重大な事故については、他にも犠牲となった子供の家族の事故直前の描写が唐突に挟まれたりするのですが、かといって、その後それに寄り添うようなシーンや、遺族に迫られて苦悩するエンツォのシーンなどが一切なく、だからとってつけた感が強いです。人物を描いた映画なのに「過失がなかった」で終わって良いような出来事じゃないでしょう。 ドライバーたちだけに限らず、この映画のラウラを除く脇役たちの描写はペラッペラで、誰にも感情移入できません。本作の目的が、神格化されたエンツォの真の姿を暴くことだったとしても、物足りなさは否めません。もしそうなら企画自体がダメダメで、どう見ても映画としては失敗作だと思います。 アダム・ドライバーの演じる主人公のヘタレっぷりにどうも既視感があったのですが、しばらくして思い出しました。最後の決闘裁判でのヘタレ騎士やマウリツィオ・グッチとおんなじです。カイロ・レンも同じと言えば同じか。彼は、もうちょっとまともな役が与えられれば、スーパースターになりうる存在だと思うんですけどねえ。仕事選べばよいのに。でも「65」なんかに出ているようじゃ自業自得か・・・ |
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