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タイトル名 |
ジャージの二人 |
レビュワー |
キムバリー・ルイーズさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2012-11-12 23:20:35 |
変更日時 |
2012-11-12 23:20:35 |
レビュー内容 |
原作未読。 最近、原作小説の映画化に落胆することがままあったので、今回は予備知識なしで鑑賞。
登場人物が少なく、台詞も最小限。特にこれといったドラマティックな展開も大きな事件に遭遇することもなく、まさしく「スローライフ」そのものの内容。だが、全体を通じて巧くまとめられており、どこか切なく温かい気持ちになった。
他の方が書いておられたように、父子の距離感が絶妙。 自分が女性だからかもしれないが、一般的に母と娘の関係は感情的な会話が中心。女性同士は往々にして「なぜ?」「どうして?」と相手を追求したがるものだが、この父と息子の互いに詮索しすぎない、短い会話の関係性が非情に面白く、男同士ってそんなものなんだろうな…と興味深く、納得した。
古着のジャージを面白がって着るところ、山中でジョンとヨーコを見たことがあるという話題。これは離れて暮らしていても、この父子の価値観が通じていることを物語っている。浮気妻や妹はそれを着ようとしないが、こういう価値観の対比は面白い。 わけありの父子が、それぞれの鬱屈した気持ちにケリをつけたラストに爽快感があった。
鮎川さんは、昔ドラマの端役に出演されていたのを拝見したことがあったが、「ま、本業はミュージシャンだから」と良い意味で苦笑いできるレベル(笑)。しかし本作ではその個性がよく生かされていると思った。 原作既読の方が、キャスティングは成功と書かれているのを読んで、なるほどと頷いた。
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