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タイトル名 |
トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男 |
レビュワー |
風小僧さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2024-01-28 16:56:30 |
変更日時 |
2024-01-28 16:56:30 |
レビュー内容 |
第二次世界大戦後の冷戦を背景とした赤狩り“ハリウッド10”の実態を赤裸々に描く。表現の自由を守るため赤狩りに対峙し、激しく闘った闘士・トランボ像は予想外だった。 映画人の思想的な立場が興味深く、記録映像やネット情報で既知の部分もあり、J・ウエインのタカ派ぶり、K・ダグラスの硬骨漢ぶりなどは想像どおり。戦場に行かなかったJ・ウエインに対し、トランボが皮肉交じりに言い返すシーンが痛快だ。公聴会で証言を拒否しても仕事ができるトランボに対し、顔で勝負するE・G・ロビンソンが証言せざるを得なくなる立場もよくわかる。 赤狩りを推進したH・ホッパーの暗躍がいやらしい。ブラックリストに載った人たちの苦悩はいかばかりだったかと思う。その当時、日本でもレッド・パージがあったと職場で聞いたことがある。 B級映画の製作会社キングブラザース幹部の方針を聴いて、かつて海外のドキュメンタリー番組で三流とみなされた映画の監督が語った言葉「俺たちも『市民ケーン』を作ろうと思えば作れるが、そんな映画を作る気はない」に通じる気概を感じた。負け惜しみとも思うが一理ある。 議論好きで理屈っぽい共産主義者の一面が、良くも悪くもリアリティに満ちている。反面、生活のためもあり仕事に没頭して赤狩りに対決するトランボの姿勢が、家族との対話不足に陥り軋轢を生むのは皮肉なこと。家族との葛藤も描かれているがややあっさりの印象。特に夫人の苦悩は並大抵のものでないと思うので若干物足りない。 |
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