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タイトル名 |
殺人の追憶 |
レビュワー |
飛鳥さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2012-12-05 15:31:19 |
変更日時 |
2017-09-25 23:19:09 |
レビュー内容 |
韓国の警察は世間に不信感があるのかボンクラに描かれることが多い。ソン・ガンホが田舎警察の典型的なボンクラ暴力刑事を好演している。知的障碍者を脅して自白を誘導したり、トンチンカンな推理を真面目に進言したり、滅茶苦茶なんだけど熱意はあって憎めない奴。 コンビを組む知性派刑事はキム・サンギョン。ボンクラ暴力刑事とことごとく対立するが、レイプ殺人鬼を何とか捕まえようとする気持ちは同じ。 この知性派刑事が最後は我を忘れて犯人じゃない容疑者に暴力刑事顔負けの暴行をしまうのだが、そうならざるを得ないような流れがしっかり描けているので感情移入できる。
実際の未解決事件を基にしているためか、結局犯人は誰なのか解決されないまま。そうした終わり方に、投げ出された感じですっきりしないものは残る。 あまり好きではない手法だけれど、この作品に関してはこれもアリかなとも思える。目撃者の女の子の「普通のおじさんだった」との証言。凶悪犯罪を犯したごく普通の男が今も野放しになっている。最後まで姿を現さない犯人が、想像力を刺激する。 独特の後味の悪い余韻。ボン・ジュノ監督の才気を感じる。 |
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