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タイトル名 |
鶴八鶴次郎(1938) |
レビュワー |
すかあふえいすさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2014-12-20 21:19:35 |
変更日時 |
2014-12-20 21:19:35 |
レビュー内容 |
芸道に生きる男女を鋭く描いた成瀬巳喜男の作品。
歌い手の「鶴次郎」と三味線女房「鶴八」。 二人は喧嘩するほど仲の良い鴛鴦夫婦、本当の夫婦のように幸せそうだが、あくまで二人は「芸人」としてのコンビ。 幼い頃から兄弟のように過ごしてきた二人。 鈍い鶴次郎、女として答えを待ち望む鶴八。
冒頭からサイレント映画さながらに見せる映像。 幸せそうなふたりの姿から物語は始まるが、紆余曲折を経て二人は亀裂が入り別れてしまう。
結婚して本当に女房になった鶴八、一人やせ我慢して芸道に生きる鶴次郎。
二羽あっての「鶴八鶴次郎」、一羽欠ければ魅力も半減してしまう。 打ちひしがれる鶴次郎、いつも隣にいたからこそ気付けなかった「かけがえの無い存在」・・・。
そんな鶴次郎を見かねて鶴八は戻ってくる。 喧嘩別れした二人だが、お互いに謝りすぐ打ち解けられるふたりの仲睦まじさを物語る。
だが鶴次郎も男だ。 本当の女房になって幸せそうにしている鶴八を観て、鶴次郎は辛い決意をする。
家庭での幸せを願った鶴次郎だが、果たして鶴八も同じ気持ちだったのだろうか?
何も語らない鶴八、涙を酒とともに飲み干す鶴次郎・・・切ない幕切れだが、とても良い映画だったと思う。 |
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