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裏窓(1954) - すかあふえいすさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 裏窓(1954)
レビュワー すかあふえいすさん
点数 10点
投稿日時 2014-01-22 00:24:04
変更日時 2015-02-24 22:53:02
レビュー内容
個人的にヒッチコックで一番好き&最高傑作。
人によっては「サイコ」や「北北西に進路を取れ」といったアクションに比べると退屈する人もいるかも知れないが、俺はジェームズ・スチュワートが覗く窓で様々な“事件”が起こってくれるので一切退屈しなかった。
地味に様々な窓のドラマが進んでいくのが面白い。冒頭の写真と壊れたカメラだけでスチュワートが何者なのか“語る”演出も素晴らしい。
観客にとってはいきなりジミーと口づけを交わすグレース・ケリーの存在も事件です。
「君は誰だ」という一言はジミーにとっては冗談のつもり、観客にとっては一瞬ドキリとさせるセリフ。
あれだけ開放的という事はそれだけあの界隈で事件がなく平和だったという事だろう。ベランダで夫婦仲良く寝ている人間までいますし。
そこで後半に“事件”が人知れず、いや唯一目撃してしまう恐怖。
ヒッチコック映画で人や動物が死ぬのは最早お約束です。
劇中で窓を覗くスチュワートは、退屈を紛らわすように音に耳を傾け、窓を覗きまくる。住民もそれを“許容”するように窓を開け続ける。
コレが「北北西に進路を取れ」だとあのヘリがスチュワートに襲い掛かります(嘘)
後半の窓におけるやり取り。最愛の人が独りで犯人の下に潜り込むスリル、犯人が戻ってくるまでの緊張、それに怪我で何もしてやれないもどかしさ、穏やかな演奏に掻き消される悲痛な叫び。
それを見て逃げようと思えば逃げられたスチュワートもあえて逃げず、犯人との“一騎打ち”を選ぶ!記者として、男としての意地。犯人も警察が来たにも関わらず臆せずに目と目が合ったジミーの元に向う。
音、光、影が織り成す緊張、窓際での攻防、住民の動きをあえて早回しにする事でより緊張を高める。
片脚と引き換えに掛け替えの無いものをより深めたラストも良い。
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