みんなのシネマレビュー
全線―古きものと新しきもの - すかあふえいすさんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 全線―古きものと新しきもの
レビュワー すかあふえいすさん
点数 9点
投稿日時 2014-03-15 18:20:11
変更日時 2014-05-20 23:41:13
レビュー内容
エイゼンシュテインの映画は、最初退屈な掘り下げから始まる。
ただ、そのじっくりと描かれる掘り下げが後の大爆発へと繋がるのだ。
ロシア革命と虐殺の爆発を描いた「ストライキ」や「戦艦ポチョムキン」、一人の暴君の後悔と絶望を描いた「イワン雷帝」等々。

この「全線」もそんな農民映画だ。
最初1時間は農民たちが泥と汗にまみれる光景を延々と捉える。特に牛を燻製にしていく工程は結構エグい。
ただ、1時間もする内にそこに退屈さは無くなっている。
華やかな少女たちの笑顔と共に。

農民たちはより大きな収穫、より人間として自立するために改革を求めていた。
無知と貧窮に溢れた農村から解放されるため、何より肉体を酷使する農業を少しでも楽にするため。
年老いた農婦マルファは立ち上がる。
半ば諦めの入っていた農民仲間たちは「そんなもんは無理だよ」と嘲笑う。
それでもマルファは止まらない。

協同組合を組むが、旱魃の容赦のない渇きが人々を襲う。神に祈っているだけでは何も解決しない。
自ら機械のトラクターや牛乳分離器など、文明社会の利器を取り入れる。
エイゼンシュテインは今までロシア社会の荒波に揉まれる人々を、文明社会が生み出した機会を通して描いてきた。
「ストライキ」における生産工場、
「戦艦ポチョムキン」における砲艦。

作品では機械のトラクターや牛乳分離器を通して、人々の生き様に変革を起こしていく。
それは同時に人々の運命を大きく左右していく。
「機械の牛」は手に入るが、今まで家族同然に暮らしてきた牛たちとの別れ。
しかし、最早どんな死をもっても農民たちの団結を崩す事は出来ない。
大地を揺らすトラクターの群れ、群れ、群れ!最新の機械をボロボロの布切れが動かす時の感動。
大地に「全線」が引かれる時のダイナミズム!

ただそれだけなのに、こんなに面白いなんて。傑作だ。
すかあふえいす さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2017-06-15トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男97.11点
エリン・ブロコビッチ96.92点
2017-06-06美女と野獣(2017)97.22点
2017-06-06LOGAN ローガン97.01点
2017-06-06ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス96.87点
2017-05-27見えざる敵87.00点
2017-05-27ドリーの冒険86.25点
2017-05-27これらのいやな帽子84.00点
2017-04-25アルジェの戦い98.00点
2017-04-24怪盗白頭巾 前篇97.00点
全線―古きものと新しきもののレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS