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エデンの東(1955) - すかあふえいすさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 エデンの東(1955)
レビュワー すかあふえいすさん
点数 9点
投稿日時 2014-01-22 00:17:08
変更日時 2014-01-22 00:17:08
レビュー内容
ジョン・ スタインベックの原作を映画化。
原作は聖書の英語訳版である「欽定訳」と「アメリカ標準訳」の異なった訳を比較し、登場人物たちに新しい解釈をさせようという狙いを含み親子3代に渡る葛藤と苦悩を通して家族愛を描いていく。
本作は一人の少年の青春を軸に描かれる。
大戦の暗い影が差す1917年のアメリカの片田舎を舞台とするエリア・カザンの「エデンの東」は聖書の一節を元に、
一人の女性をめぐって対立してすれ違っていく兄弟、
母親の真実、
父親との確執、
「許されざる恋」が「許される恋」へと変わる瞬間、そして親子の絆。
聖書のアダムの如く東の街へと逃れてきた父親。
今度はその息子も兄と対立し逃げようとしている。
そこに訪れる救い。
現実と向き合い、真っ向から取り組む道を進むことを決める主人公。
相手の誠意が自分を傷つけ、自分の行いが相手を苦しめる・・・そんなすれ違いを丹念に描き、決裂し、修復していく・・・。
父と和解し救うことが出来たキャル。
まるで天から見守られるように穏やかな締めくくりを迎える。

が、唯一決別したままとなってしまった兄のアロン。
劇中では彼の行く末は語られない。
原作のラストにしても、誤解が生じ互いに心に傷を負わせ、それが修復しない内に悲劇が訪れる。
傷心しきった兄の心同様、キャルの心にも傷が残るもう一つの結末が暗示されている。

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