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十字路の夜 - すかあふえいすさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 十字路の夜
レビュワー すかあふえいすさん
点数 9点
投稿日時 2014-03-30 19:53:55
変更日時 2015-01-14 07:07:44
レビュー内容
フィルム・ノワールは「マルタの鷹」以前に誕生していた。
フリッツ・ラングの「M」の影響をダイレクトに受けたヨーロッパ。そのフランスのジャン・ルノワールは「十字路の夜」を完成させた。
冒頭の“遺体発見”のシーンの見事さ、煙草の煙が構築する退廃的な空間、男を破滅に導く女(ファム・ファタール)の登場・・・加えてルノワール特有の“水の音”が、作品を更に幻想的なものにしている。これをフィルム・ノワールと言わないでどうする。
終盤で胸元の傷の痕を見せるシーンがエロチックだこと。刑事の後ろで着替える時の太もものエロさ。やはりルノワールに“巨匠”だなんて面倒なレッテルはいらない。偉大なる“むっつりスケベ”だ(尊敬ゼロだろ俺)。

暗闇から突然発砲して来る狙撃手、終盤の畳み掛けるような事件、銃撃戦、車上と夜景のカメラワークの迫力!
助監督のジャック・ベッケル、既に「現金に体を張れ」で見せた暗闇の迫力をとことん見せてくれる。
派手な銃声はいらない。淡々とした音の方が、夜の静寂を切り裂くのに相応しい。

最後の最後まで息を抜けない演出だ。“狙撃者”のやり取り、ラストシーンの別れ際・・・見事、見事である。傑作だ。
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