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タイトル名 |
蒲田行進曲 |
レビュワー |
すかあふえいすさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2014-12-20 22:05:30 |
変更日時 |
2014-12-20 22:05:30 |
レビュー内容 |
深作欣二の最高傑作は「軍旗はためく下に」や「代理戦争」「暴走パニック 大激突」辺りだと思うが、この映画も初めて深作ワールドを味わった思い出深い作品だ。
映画ではなく「映画」を劇中で演じるシステムの人情劇。 「嘘の世界をいかに本物に魅せる」かが堪能できる。
冒頭の“夜”を創り、幕末の志士達が殺し合う戦場を再現する場面。
舞台の上を駆けるようにノビノビと演技する俳優陣。 日本映画の斜陽化が顕著と言われた時代だったらしいが、登場人物たちの顔つきを見ているとそんな暗いイメージが湧いて来ない。役者魂とやらが全力で伝わって来る。
軽妙なリズムに合わせて青春、性交、ヴァイオレンスにストーリーを進めるやり方は流石。
ピカピカの汚しも何も無い衣装に身を包む主役、 ボロを被りながらも、主役を盛り上げようと必死に食らいつく脇役やモブ。 そこにスポットを当て対比させる話が面白い。
ジェームズ・ディーンをDisりにかかるシーン。さすが深作怖いもの知らず(褒めてる)。 「人一人殺すぞ~!」と子供のように眼をキラキラ輝かせる監督。 この映画の時代設定は、日本映画が黄金期だった1950年代~60年代だろうか? この頃はこういう事サラッと言える監督がいっぱいいたんだろうなあ・・・。
そして命懸けの「階段落ち」。 それを実際にやり遂げた俳優の伝説を元に作られたそうだ。 それをやれば生きるか死ぬか。だけど女房食わせるためなら死んでやらあ!そんな覚悟が伝わる迫真の演技!
ちょっと気合の入りすぎた雄叫びも多々あるが、そこが「これ映画だから!」と全力で唄うこの映画の魅力であろう。
だって「仁義なき戦い」の監督だし。 「マジに受け取ってんじゃねーよバーカ!」と監督が問いかけているような気がする。 |
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