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タイトル名 |
白い馬(1952) |
レビュワー |
すかあふえいすさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2014-11-01 01:04:58 |
変更日時 |
2014-11-01 01:04:58 |
レビュー内容 |
アルベール・ラモリスは「赤い風船」が最高に面白かったが、俺はこの「白い馬」もかなり愉しむ事が出来た。 とにかく馬の凄さを堪能できる一篇だ。 まるでサイレント映画の活劇がそのままトーキーに移ったような作品だった。 白黒の美しい画面の中を、馬たちが時に荒々しく、優美に駆けて行く。 草原を、湿原を、砂漠を、浜辺を走って走って走りまくる。
牧童たちは、野生の馬の美しさに憑りつかれている。 特に野性の馬たちを束ねる白馬の美しさにだ。 まるで西部劇さながらに馬を追い立てる。 人間のために乗馬され、かつての仲間を追う馬たちの心境はどんなものだろうか。 「早く仲間になっちまえよ」とか、それとも「捕まったら俺たちみたいになるぞ早く逃げろ」とか思っているのだろうか。
捕まっても大の大人4人を相手に大暴れの逞しさ。 「!誰が貴様らの奴隷になるものかっ!俺は自由に生きるんだ」とばかりに柵をブチ破り脱走。
後の「花の慶次」における松風である。
船を漕ぐ少年は最初傍観者だが、彼もまた白馬に心を奪われた一人だった。 牧童たちが無理矢理馬を従わせようとしたのに対し、少年は馬に“認められる”まで喰らい付いた。 白馬は少年を認める。印象深いシーンだ。 彼は馬を救うべく匿うが、交流も束の間で手当てしたばかりの身体でまた走り出す。 妹涙目。イチイチ破壊される柵涙目。じいさん爆睡。
ドラムが白馬と牧童たちのチェイスを盛り上げる。 馬同士の喧嘩も凄い。顎で馬の皮膚をむしるようにちぎる。 草むらにかくれた馬の炙り出し、炎の中を駆け抜ける馬と少年。 白馬がウサギを追うシーンが可愛かった。
渇いた土に弾痕のように刻まれる足跡。 いよいよ牧童たちとの追走劇もクライマックスだ。 水面、フラミンゴの群、距離感が掴めないチェイス。
馬は海を泳ぐワケじゃない。脚を動かして海の中を“駆けて”ゆくのだ。何処までも。
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