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タイトル名 |
2001年宇宙の旅 |
レビュワー |
すかあふえいすさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2014-01-31 10:48:51 |
変更日時 |
2014-01-31 10:48:51 |
レビュー内容 |
アーサー・C・クラークとタッグを組んで作り上げた超迷作。 「迷える名作」を撮らせたらアメリカ無双のキューブリック渾身の作品。 これは子供にこそ見せたい映画だね。 子供は何の抵抗もなく、取り敢えずありのままを受け入れようとする。 感受性の豊かな子供は何を思うのか。 そして大人になって再び見る・・・この映画はそれだけ難解でもあり、至極単純な映画でもある。
何者かが知識を得て何かに目覚め、それを繰り返して心理に迫る。ただそれだけ。 その過程が問題だ。
類人猿が「モノリス」に触れて知識に目覚めるファーストシーン。 動きだけで伝えるその世界観は流石。 アフリカの荒涼とした大地と類人猿を「創造」したその美術。 これ役者が演じてんだぜ? メイクと俳優たちは人間国宝になっていいよ。 猿が放った「武器」は、近未来では宇宙を駆ける「武器」となった。 現代の宇宙時代の描写も中々。 宇宙船が音もなく飛び交う宇宙。 この頃は既に「宇宙は暗黒」って認識があっただろうけど、やっぱり絵的に見栄えが悪いよな。 実際こんなに光ってたら怖いわ。 超巨大恒星がどんだけ密集してんだってくらい。 宇宙空間における描写も、今見ると科学的交渉が食い違った部分も多いが、上下の無い宇宙空間、何処までも見渡せる広大な空間、無音の世界観の表現は今観ても凄い。 月の裏側の描写がほぼ完璧ってのが凄い。 だって公開当時は誰も月の裏側に行ってなかったんだぜ?やっぱキューブリックは宇宙人だわ。
月面のモノリスでの騒動、ちょっと長く感じた。 どうせなら「HAL」と木星星団の掘り下げに時間を割いて欲しかったなー。あるいわ上記の部分を削るか。 本作は何といっても「HAL」の反乱。 虚空の宇宙は言わば「密室」。 鬱憤が溜まるのは人間だけじゃない。 機械もいずれは「オーバーヒート」がやって来る。 まして人工知能の発達したコンピューターだ。 自分を排除する=船全体の危機と結びつけちゃうんだろうな。 プログラムに忠実だったのか、それとも本当に心が宿ったのか。 あの真っ赤なランプで、無言で語りかけるような感じが怖かった。 キューブリックは本当こういう「怖さ」を描かせたら天才。
ラストは多種多様な解釈が出来るだろう。 |
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