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タイトル名 |
盗賊と馬と拳銃と |
レビュワー |
53羽の孔雀さん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2014-03-22 05:13:23 |
変更日時 |
2014-03-22 05:13:23 |
レビュー内容 |
う~~~ん?全体的に渋めのテイストであり、テーマを持たせていることは明らか。最初は父親と子どもの絆がメインで、周りに笑い物にされても手出しをせず妻がいるのに女にうつつをぬかす父親を軽蔑混じりの感情を持ちつつも、最後には父親がカッコイイところを見せ子どもが信頼と尊敬の念を抱く、という感じかと思ったら、どうやらそうじゃない。父と子、なんだかんだあっても互いは愛情で結ばれている、という方がどちらかといえば合ってる気がしますが、こちらもテーマのメインか?と言われるとそこまでしっくりこない。では何がメインかというと、「本当に素晴らしい人間とは」ということなのではないだろうか。 本作の主人公は黒人。時代背景的に差別的な描写が入ることは想像できる。で、だいたい理由も無しに差別的な嫌がらせをするのは白人で、それもそのまま描かれる。しかし、本作で特殊なのは主人公と同じ黒人であるネイトやクリスマスが直接的な敵キャラとして描かれているところ。つまり、差別云々以前に白人だろうが黒人だろうが悪い奴は悪いと。では、「良い」人間とはどんな人間なのか、となると象徴されるのがビリーでしょう。動物も人間と同じように愛し、自分の命を取るかもしれないクリスマスをも気遣うシーンが象徴的。手術の痛みに耐えるクリスマスの手をさすったり、まして自分が死ぬことも厭わなかったり。クリスマスが崇拝?するスモークのように、人としての尊厳を失わない人間こそ真に素晴らしい人間である、という主張があるのでは。クリスマスはビリーにスモークと同じものを見たから最後に銃弾から庇う。「自分を犠牲にしても他者を思う」「誇りを捨てない」、こういった人間こそ真に正しい人間だと。ていうかそもそも、クリスマスといったらキリストを想像せざるを得ないですしね。 |
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