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タイトル名 |
インセプション |
レビュワー |
アラジン2014さん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2014-04-08 14:09:02 |
変更日時 |
2024-10-05 12:53:17 |
レビュー内容 |
新しい作品ですが一気にトップテン入りしてしまった映画です。冷静に筋を追えばかなり穴が多いストーリーですが、それら数々の矛盾点を無視したくなるほどスタイリッシュでクールな映画でした。個人的な印象としてはマトリックス以来の衝撃といっても過言ではありません。
脚本に矛盾点はあるものの映像表現や理論部分はよく練られていて、想像力を掻き立てるストーリー展開は見事としかいいようがありません。読書が好きな人(=妄想するタイプの人)には高得点だと思いますが、いわゆる直感的なタイプの人にはいちいち説明的でテンポの悪い展開は耐え難いかもしれません。しかしながらノーラン監督のオリジナル脚本×ダイナミックなハンス・ジマーの音楽×情緒たっぷりの美しい映像を見せられると、ついつい引き込まれてしまいます。この映画にはマイナス点を余裕ではねのけるほどの大きな魅力が存分に備わっています。
夢の階層が深くなるにつれ時間が20倍の速度で過ぎてゆき、夢の三階層くらいまで降りると数日で50年くらい暮らしていたことになるなんて心底素晴らしい発想です。惜しいのはホテルの階層まではコダワリまくっていたクールな演出が雪の階層で一気に普通のアクション映画になってしまった点です。ノーラン監督が007大好き過ぎるのか、ネタ切れで息切れしてしまったのか、良いところで失速してしまった印象があります。雪の階層がほぼクライマックスだっただけに本当に惜しかったです。
この映画の最も印象的なシーンの一つとして、年寄や病気の人が大量に夢の世界に繋がっている地下のシーンは素晴らしかったです。本来ならメインストーリーには不要なシーケンスですが、監督はどうしてもこのシーンを入れたかったのでしょう。身体の不自由な彼らは毎日寝に来ているだけですが、その本人たちは夢の中こそが不自由のない理想の世界であるという。これは現在のネット時代、オンラインゲームへの比喩とも考えられる非常に素晴らしいメッセージだったと思います。
不思議なことに何度も見たくなる映画で、私は二回連続で鑑賞しました。この映画は高評価と低評価が混在していますが、あまり深く考えすぎないことがポイントです。辻褄が合わない部分は華麗にスルー、何となく判ったような気になってファンを気取るのがノーラン作品の正しい鑑賞法です。とにかく、、近年まれにみるインナーSFの傑作でしょう! |
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