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タイトル名 |
カイロの紫のバラ |
レビュワー |
アラジン2014さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2024-10-22 17:49:19 |
変更日時 |
2024-10-25 12:26:29 |
レビュー内容 |
こういう作品のことを「映画」と呼ぶんだと思います。また本作はきちんとスクリーンで見れば楽しさ10倍増しなのは間違いありません。(自宅100インチ2.1チャンネル、スクリーン鑑賞)
セシリア(ミア・ファロー)はあまり好きな女優ではありませんが、本作でも良い仕事をしています。私が好きじゃないだけで、彼女が素晴らしい役者なのは誰もが認めるところでしょう。本作の彼女はやたらとおっとりしていますが、このおっとりした雰囲気がより映画をメルヘンチックで素晴らしいものに昇華してくれていると思います。この映画が素敵になったのは彼女のおかげといっても過言ではないでしょう。 もちろんトム・バクスター/ギル・シェパード(ジェフ・ダニエルズ)も非常に素晴らしい演技をしてくれていて、飛行機で飛んできた本物とスクリーンから出てきた分身とで明らかに違う人物であるのが一目で判ります。さりげなく微妙に違う人間性をきちんと使い分けていて本当に素晴らしい。個人的には特に娼館で女性陣と語らうシーンが最高でした。ほほ愛の核心を突くのがスクリーンから飛び出してきた分身というのがお笑いポイントですが、不覚にも非常に感動的で涙が出そうになるレクチャーとなっています。
ウディ・アレンの良さは”間”の取り方にあると思います。本作ラストでもセシリアのシーンがあと2秒、長くても短くてもダメで、この絶妙な時間間隔で観客を飽きさせることなくしっかりと余韻に浸らせてくれます。この絶妙な間は本当に素晴らしいとしかいいようがありません。今はもう少なくなったクラシックな監督のなせる業です。 余談ですが、何気に同年公開のバック・トゥ・ザ・フューチャーと比較すると本作のほうが合成映像に違和感がないのが地味に凄いですね。。また美しいラストの「トップ・ハット(Top Hat)」でアステアが躍るシーンは「グリーンマイル」でも使われています。私は映画が大好きですが、映画ファンを語るならぜひとも一度は鑑賞しておくべき映画でしょう。私も早く見なきゃ・・ |
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