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タイトル名 |
天国と地獄 |
レビュワー |
カツルギさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2014-05-04 21:13:18 |
変更日時 |
2014-05-04 21:13:18 |
レビュー内容 |
どうしても「前半傑作」の感が残るのは、私が単なる娯楽好きミステリ好きな人間であり、主題を解するだけの思慮や感受性がないからであろう。映画が鑑賞者を選ぶのだとすれば、私は前半しか選ばれなかったということか。何てことだ。 誘拐事件が起こり、身代金受け渡しまでの展開はある種の密室劇にも似て、素晴らしい迫力である。演者たちの緊張感が伝わってきて、その先の展開を期待させる。しかし身代金受け渡しを終えると、一気にトーンが変わり、犯人はいきなり現れてミステリ的な興味は薄れる。もっとも黒澤監督にミステリ映画を撮っているという感覚はないだろうし、むしろここからが主題なのだが。漫然とした捜査会議をそのまま流すのもどうかと思うし、こんなのありかという捜査手法等々、引き込まれた前半からすると緊迫感の低下を感じた。 ラスト、若き山崎努氏の熱演と無機質なシャッター音の温度差が非常に印象的ではあるが、飽食の時代にダラダラ生きてきた私には主題の全ては飲み込めなかった。申し訳ありません。
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