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タイトル名 |
ターミネーター2 |
レビュワー |
フィンセントさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2019-11-16 11:14:56 |
変更日時 |
2021-04-24 20:00:24 |
レビュー内容 |
「ターミネーター2」は、シリーズものとしてではなく、1本完結の作品として楽しめる。
その場合私は、T-800とジョンの、心の交流物語として、この映画をとらえたい。
「なんで涙を流すんだ?」と、人間の涙に興味を持ち、ジョンに「もっと人間くさい返事しなよ!”チ○ポ野郎”って言ってみ!」って指導を受けて「チ○ポ野郎」って返事するT-800。
無表情で容赦なくターゲットを破壊する血も涙もないターミネーターのようでいて、従順で素直でジョンを通して人間というものに心を寄せていくT-800。
そのキャラクター設定にギャップ萌えするのは私だけだろうか?
そもそも「A.I.」「アンドリューNDR114」「ブレードランナー」もそうだったが、人間になりたい(なってみたい)ロボっていうのは、昔からテッパンのキャラ設定である。
キャメロンは、1をしのぐ続編を作るにあたって、あえて人間世界に生きるロボの設定について、基本に立ち返り原点回帰したともいえよう。
それによく思い出してほしい。
キャメロンは「エイリアン2」で、リプリーが小さい子供を守るために蒸気と炎がたちのぼる足場の悪い場所で敵と戦う印象的な場面を描き出した。
その「エイリアン2」は「エイリアン」の続編として(たいがい2は1より劣りやすいものだが)見事に興行成績は1を上回り、2009年、イギリスの雑誌『エンパイア』が発表した「史上最高の続編映画」でも1位に輝いた。
”人間との接触を通して学習し、人間ぽさを増したエイリアン”
”小さい子供を守るリプリー”
”立ち上る蒸気と灼熱の中、赤と青いライトで照らし出され繰り広げられる最後の死闘場面”
実は、この設定がそのまま
”ジョンとの触れ合いで学習し、人間ぽさを増したT-800”
”ジョンを守るT-800”
”立ち上る蒸気と灼熱の中、赤と青いライトで照らし出され繰り広げられる最後の死闘場面”
…のように、「ターミネーター2」に盛り込まれてると言えるのではないか?
そして案の定、1をしのぐ大ヒットとなった。
ヒットの理由は、アクションだの、トロトロ液体ターミネーターだの、いろいろあるかもしれない。
でも実は、人の心に染みやすいテッパン設定と、キャメロンが「エイリアン2」で使った<安定の設定>をそのまま「ターミネーター2」に移植した結果だともいえよう。
「1」みたいにもっと無慈悲なT-800を期待する声もあると思うが、キャメロンの「1と同じ路線で行かない」という勇気を称えたい。
だからこそ、T-800が溶鉱炉に消える直前の、親指を突き立てる名場面が生まれたのだから。 |
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