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タイトル名 |
パッセンジャー(2016) |
レビュワー |
⑨さん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2017-11-01 00:20:05 |
変更日時 |
2017-11-01 00:20:05 |
レビュー内容 |
ジムに起きたことは悲劇だ。同情されるべきことだがオーロラにしたことは許されることではない。「殺人よ。」間違いない。しかし、自分だったらどうするかと考えない人はいないのではないだろうか。
「誰も一人では生きられない。」とは有名ロボットアニメ劇場版での主題歌の歌詞だが、実際そうだろう。孤独に耐えられないジムは罪を犯す。観る側はその時点から何とも言えない居心地の悪さを感じるのではないだろうか。脱出不能の空間で90年二人きりという男女がくっつくには持って来いのシチュエーションは秘密の露呈により崩れ去る。そこから修復するには何が必要か。ということでハリウッドでは定番の“危機的状況”が用意される。それにより二人は共同作業を強いられる。もちろん“危機的状況”は主人公が目覚める前から起きていて不穏なサインは序盤から出ていたのだから主人公の責任ではない。が、主人公の罪を打ち消すために用意されたもののようにも見えてくる。ただ危機を共に乗り越えるだけでは足りない。ヒロインを殺した罪を消すには主人公は一度死ななければならないのだ。
と、こんな風にシンプルな構成故に用意されたものが装置のように見えてくるのはやはり欠点だろう。それに加えて“孤独に死ぬ”という強迫観念が全編二人を襲い続けるのも装置だ。しかし、映画という媒体自体が装置そのものとも言えるわけでそれを如何にして隠すかというのが作り手に求められる手腕なのだろう。 |
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