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タイトル名 |
フォックスキャッチャー |
レビュワー |
Cinecdockeさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2015-02-15 18:23:09 |
変更日時 |
2023-04-16 10:45:46 |
レビュー内容 |
ジョンは母に愛されたかったのだろう。 低俗と貶されたレスリングを母に認めてもらいたかった。 一生遊んで暮らせるほどの金と権力があり、何でも出来ることへの自惚れと幼稚な態度はその裏返しか。
マークを雇ったのも、金で買えない真の友達が欲しかったのだろう。 だが、母を見返すことを優先し、途中からマークを邪険にしてしまうのも、 所有物として見てないセレブ特有のものか。
デイヴも引き込むが、ジョンで憔悴したマークを気遣うばかりでますます擦れ違いが大きくなる。 認められないまま母は死に、チームも良い成績を残せず、 自分の手に入れたかったものが零れ落ちて、残されたものは孤独のみ。 自分の欲しかったもの全てをデイヴが持っていた嫉妬もあって、彼に銃を向けたのでは。
ジョン・デュポンのようなセレブでなくても、中流家庭出身の犯罪者が続発しているのは、 埋め尽くさんばかりの物に溢れている割に心が満たされない見栄と虚無感による、 物質主義と精神主義の衝突があるのかと。 寒々しく晴れることのない風景が先進国の空虚さを捉えているかのよう。
コメディ映画はあまり見ないのでスティーヴ・カレルに偏見はなく、厭世的な狂気を漂わせていたと思うし、 実際にレスリングまでこなしたテイタムとラファロの熱演は言うまでもない。 ただ、賞レースであまり盛り上がらないのは、 ただ事実を提示するだけで、心を掻き立てられないのが大きいのかもしれない。 |
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