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天空の城ラピュタ - せんべいさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 天空の城ラピュタ
レビュワー せんべいさん
点数 10点
投稿日時 2016-08-27 20:14:18
変更日時 2016-08-28 13:45:56
レビュー内容
 平成28(2016)年は、当作品が劇場公開されてから30周年なので、良い節目と思い投稿します。それにしても膨大なレビュー数と高得点ですね!。以下、公開時に映画館へ行くまで→場内の雰囲気→鑑賞後に頭をよぎった不安・心配→ジブリ映画浸透後の思い→採点…という構成でお伝えします。
 公開当時は失礼ながら、私にとって宮崎駿監督のお名前は、まだ認識が十分ではなく、当作品は【未来少年コナン(1978年放映のNHK初のTVアニメシリーズ)を創った監督・スタッフさん達の映画】という括りでした。コナンは娯楽作品としてグイグイ引き込まれただけでなく【自然と人間の在り方】への真摯なメッセージが込められており、非常に感動しました。ルパン三世・カリオストロの城(1979年)も、アニメとしての大胆なアクションは勿論ですが、コナン同様【観る者をいい気持ちにするツボ】を心得ているな~と感心したものです。続く、風の谷のナウシカ(1984年)も、王蟲や腐海の描写の秀抜さに驚いたのは勿論ですが、コナンから続く【自然と人間の在り方】をテーマに据えている点で一貫しており、作り手としての強い信念を垣間見る思いがしました。ただし、カリオストロの城もナウシカも、TV放映での観賞だったので「この新作は映画館で観よう」と思った次第です。さて、結果は…。
 上映前に読んだパンフレットには【子供が楽しめるかつての“漫画映画”を復活させたい。そのために、時代を越えて愛されている“小説・宝島”のような冒険映画にしたい】という趣旨の文面が掲載されており、共感しました。そして上映が始まると…“漫画映画”的なコミカルな動き・演出に、場内はおおいに沸いたものです。笑う場面では皆で笑い、手に汗握る場面では一同で固唾を飲み…と場内が一体となっていることが肌で伝わってきました。帰りに「良かったね」と活き活きと喋っているお子さんと親御さん達の姿を今でも忘れられません。コンセプト通りの、否、それ以上の傑作になっていると、これまた感動しまた。私の中で、ようやく宮崎駿監督の名前がしっかりとインプットされました。
 鑑賞後、しばらくして、店頭にあった関連本を読みました。製作のこぼれ話として「子供達が“これなら自分にも出来る”と重ね合わせやすいように、パズーとシータのアクションは控えめにしました。一方、つい、ドーラ達を活躍させたくなったので、パズー達とのバランスに苦労しました」といった趣旨の文面を目にしました。感心すると同時にふと不安がよぎりました。「子供は超人的な力を持つヒーローに、自分を重ねる面がある。そうなると映画館まで足を運んでくれるだろうか?。もし観たとしても、自分が場内で体感したように熱中してくれるだろうか?」と思ったからです。また、コナンではなく、ナウシカから観た人達からも一部分ですが「王蟲のような生き物が出てこないなど自分が思っていたのとはイメージが違う」など戸惑う感想もありました。このようなわけで、私は映画館での感動とは別に「果たしてヒットするのだろうか…」と心配になりました。その心配が的中したわけではないと思いますが、当時の興行成績は振るわず「自分が映画館で得た一体感は、少数派に過ぎないのだろうか…このまま、この作品は埋もれてしまうのだろうか…」と非常に寂しく思いました。さらに「コナンから連綿と続くテーマ・作風の集大成だとは思うが、それだけに、今後、新たな作品を創れるのだろうか?」とも思ったものです。
 あれから長い年月が流れました。私の心配が取り越し苦労だったことは言うまでもありません。しかしTVでの【スタジオジブリの人気作品ベストテン】といった類のコーナーでは、ラピュタはいつも下位でした。「パズーとシータのアクションを控えめにしたせい?。海外でも評価された、もののけ姫(1997年)や千と千尋の神隠し(2001年)などに比べ、今となってはラピュタは地味なのか?シンプルすぎるのか?」と歯がゆい気持ちになったものです。そのため、当シネマレビューを拝見して救われた気持ちになりました。
 さて、採点ですが…私は、超人的な力を持たない普通の子供達(シータはペンダントを働かせる力があると言えばありますが…)が、大人の後押しで助け合いながら、最後に大人以上の力を発揮して大団円に至る当作品が大好きです。↓の【シネマレビュー管理人さん】がおっしゃっている通り、ラピュタが無ければ、このサイトは存在しなかったかもしれず、その意味でも価値のある作品だと思います。最初に観たときの感銘そのままに「鑑賞環境」は「映画館」とし10点を献上します。そしていつか「時代を越えて愛されている“天空の城ラピュタ”のような冒険映画をつくりたかったんです」という作り手さんが現れて、新たな名作を生み出すのを願ってやみません。
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