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タイトル名 |
シン・ゴジラ |
レビュワー |
DADAさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2017-03-28 18:30:02 |
変更日時 |
2017-03-28 19:49:28 |
レビュー内容 |
想定外の事態に直面した時、政府機構はどの程頼りにできるのか、この映画に描かれた様に、対応会議の場が官僚的議論で紛糾し、進捗せず何も決定できないのは江戸時代の黒船来航で何も決断せず、判断留保の先延ばし策に逃げた幕府官僚以来、日本人に本来備わってるひとつの特性なのかも、良く言えば何事にも慎重。攻撃行動に移行すべきという意見が出ると、直ぐにそれを否定する消極的対応を推す意見が優勢になり、とどの詰まり、何もせず被害の傷口を拡大させてしまうという事態。
この映画は3.11、東日本大震災の記憶を生々しく思い起こさせる描写がかなり明確に意図されている。上陸したゴジラの破壊力と、その後の街の惨状は津波の時のソレだし、福島第一原発事故で、炉心溶融の懸念から決死の注水作業は、ゴジラの口に注水する場面に転化される。ゴジラが火を吹くのは初代からのものだが、強力なレザー光線状のもので無人攻撃機を薙ぎ払うシーンは、ナウシカに出てくる巨神兵に酷似。一旦、暴発すると手に負えない物の象徴として、ゴジラは反原発思想のアイコンでもあるのだろう。
アレのエネルギー源は何なんだという話になると、まさか核分裂?という天才的ひらめきの発想する者がいたりするが、普通巨大な爬虫類を観て、核分裂など考える人は相当頭がイカれていると思う。変態途上の初期段階のゴジラの様態・造形がちょっと残念。ぬいぐるみに付いてる様な、チープな人工物でしかない、ビックリまん丸お目々が特に酷い。生き物をそれらしくするには何よりお目々の表現が大事、でないと巨大生物の怖ろしさや、生命感を少しも感じないので、最終形態はなかなかの出来。 |
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