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タイトル名 |
クレイマー、クレイマー |
レビュワー |
あやかしもどきさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2020-07-04 16:49:34 |
変更日時 |
2020-07-04 16:55:47 |
レビュー内容 |
1970年代後半、世界にウーマンリブの風が強く吹いている時代。女性の家庭からの解放、積極的な社会進出に寛容そうに思えるアメリカでも、主人公のように妻を”家に尽くす主婦”という型にはめようとする男性がまだまだ自然だったのかもしれない。 また、仕事と並行して個人のプライベートな時間も尊重するように思われるアメリカの企業も、家庭の問題にかまけて仕事に穴を開けた主人公を冷徹に解雇する。日本よりも「個人」が生きやすい理想社会と想いがちなアメリカ社会の実像を見せられた思いがする。 いつもよりは抑え気味な演技でダスティン・ホフマンが、離婚によってはじめて「父親」として成長していく中年を丹念に演じている。原題通り、タイトルは「クレーマーvsクレーマー」とした方が内容に沿っているのに、と思いつつ、裁判以外では妻の見せ場が思ったより少ないので、「vs」とするのも正直、微妙な印象ではある。 深刻な社会問題を扱いながら、軽妙な音楽とソフトな演出によって湿っぽくならず、後味のよい傑作に仕上がっている。 |
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