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タイトル名 |
スピード(1994) |
レビュワー |
K&Kさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2024-12-01 12:02:34 |
変更日時 |
2024-12-01 16:27:10 |
レビュー内容 |
“SPEED”素直に『速度』って意味でしょうかね。確かに、これほど上映時間の長さを感じさせない映画は他に無いかも。時速80kmの縛りが出てきますが、タイトル=作品の性質な、珍しいタイトルです。 映画は3部構成。エレベーター、バス、地下鉄。どれも密閉空間で、そこから“外に出る”事が統一ミッション。どれも、誰でも思いつきそうなシンプルさだけど、考える間もなく畳み掛けられるトラブルの数々が秀逸。そして作品の質に対し、実はあまりお金が掛かってないのも凄い。
自分もその場に参加しているような気分を味わえるジェットコースタームービー。優秀なSWAT隊員となってみんなを救う“ヒーロー”になるか。元気いっぱいの巻き込まれ型“ヒロイン”になるか。そしてもう一つ肝心な部分、一生に一度すら体験することもない大事件に、自分が巻き込まれ、ヒーロー・ヒロインに救われる、いわゆる“参加型モブキャラ”になれるのが、この映画のいちばん凄いところです。 思えばディズニーランドやUSJのアトラクションでも、ヒーローでなくモブとして参加するものって多いですよね。
映画が始まってすぐにエレベーター落下の恐怖を体験。そこで突然ハリーが「クイズだ。ガンマンが人質を盾にしている、どうする?」ってジャックに質問を投げかけますね。映画を観ている我々も自然と考えてしまうんです『自分だったらどうするだろう?』って。加えてジャックの解答の奇抜さに、一般人との違いを観せてくれます。さて、エレベーターのモブキャラたちは、ほぼ何も出来ずに助けられますが、ここまでが練習問題です。 さぁいよいよ本番のバスジャック。モブキャラとして、自分だったらどんな行動を取れるのか?ただ恐怖に怯える。銃を持ったやつを取り押さえる。自分だけ逃げようとする…。序盤のハリーのクイズが効いていて、ただ映画を観る(与えられる)だけでなく、自分も考えながら観るから、115分がアッという間に終わってしまうんですね。
このバスジャックでスカッとお腹いっぱい、参加したモブキャラとしては、抱き合うジャックとアニーに大満足ですよ。そこから地下鉄へ… いままでSWAT隊員として、みんなのために戦っていたジャックが、1人の男としてアニーのためだけに、悪党ペインと直接対決します。一本の映画としては、見事なパッケージングだと思いませんか?…でも、最後の地下鉄は蛇足とか言われてます。 最後の地下鉄だけ、モブキャラの参加する余地、考える必要性が与えられていません。この映画をヒーローとして観た人、ヒロインとして観た人より、圧倒的にモブキャラとして観た人が多かったから、最後の地下鉄の評価に影響したのかも? 私はもちろん、モブ中のモブです。 |
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