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タイトル名 |
八つ墓村(1977) |
レビュワー |
K&Kさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2021-10-11 01:31:25 |
変更日時 |
2021-10-11 02:09:37 |
レビュー内容 |
「祟りじゃ~~」幼少期、犬神家と共に“日本の映画=怖い”と刷り込まれた原因の一作。こんなののCMが夕方のテレビで頻繁に流れてたんだから、油断も隙もない時代だったわ。 石坂金田一を散々観てからの鑑賞だったので、時代設定が現代なのに違和感を感じる。だけどジャンボジェットや当時の都会の町並みを見せてから、延々と時間を掛けて辺境の八つ墓村に行く過程を見せることで、まるでタイムスリップしたような感じを味わえた。もっとも、'77年の大阪や岡山の街の風景、村の商店や墓地、東屋の家屋も雰囲気アリアリで、美しいメインテーマと相まって懐かしく魅入ってしまった。
本作はショッキングな殺人シーンが多い。毒殺するだけで良いだろうに、徹底的に痛めつけられる落ち武者…これは呪われても仕方がない。この映画のメイン、要蔵による32人殺しも目を覆いたくなる惨状。真っ赤な血と人形丸出しな村人なんか、今の目で見るとリアリティが弱いかもだけど、行われてる内容が恐い。特に32人殺しは、後々モトになった事件の存在を知って更に怖くなった。ハラハラと不安を煽る曲と、夜の桜の下を走る要蔵の美しさは、今どんな技術を駆使しても撮れない画じゃないかなぁ。 鍾乳洞で辰弥を追いかける美也子の怖さ。あの声が頭にこびりつく。要蔵と美也子に追い掛けられる夢を2日連続見たわ… 村娘を座敷牢に監禁して手篭めにするなんて、戦後なのに人権や常識が通用しない田舎の怖さを感じた。双子お婆さんとか、祟りのお婆さんとか、128人の村であんな個性的な老婆が居ると、恐いなぁ。
大虐殺の恐ろしい回想シーンに対し、現代の殺人は毒殺ばかり。そして主役のハズの渥美金田一が物語の中心でないことも予想外。犯人を特定するのは見事だけど、実際、具体的にはどのように殺人が行われたのか、最後の謎解きを見てもピンとこなかった。最初の殺人はどのタイミングで毒を?とか、祟りのお婆さんとかどうやって?って思うし、小竹婆さんは「小梅さんが、鎧武者に捕まえられ…」と言っていたけど、誰が鎧武者だったんだろう? 後半は鍾乳洞の中ばかりで、もっと風景が見たいと思ってしまったのと、春代にしても美也子にしても辰弥に会おうとしたら会いに行ける鍾乳洞の構造。回収も検死もされない小梅と久野の遺体。そこに隠れる辰弥。 何年も見つかってない要蔵の死体の謎。そもそも劇中の32人殺しって、犯人行方不明の未解決事件なのかな。 本作は推理モノではなく“祟りを悪用した財産目的の犯行…と見えるように仕組まれてるけど、実は尼子の祟り”という怪談モノ。祟られた要蔵も美也子も顔が真っ白だけど、あれは顔が真っ白になって死んだ尼子義孝の祟り・憑依みたいなものなんだろう。 ちょっと気になったのは、最初の祟りの村の長・庄左衛門は、村人7人を殺してから自殺して8人。 今回も祟りなら、最後の美也子とその後の小竹お婆さんで9人になるのでは…あ、32人殺しも要蔵入れたら33人か? |
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