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ゼロ・グラビティ - K&Kさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ゼロ・グラビティ
レビュワー K&Kさん
点数 9点
投稿日時 2025-01-08 20:52:43
変更日時 2025-01-08 20:52:43
レビュー内容
“Gravity”『重力』。なんで“ゼロ”付けたし?会話で「ゼロG」って出てくるけど、改変理由の分からないタイトルになってます。
そんな邦題お構いなしに、映画は最後、湖から這い出て、全身を使って二本の足で立ち上がり、重い体を持ち上げて、安堵を感じながら歩き出すところで、このタイトル回収というスンバラシイ神展開となります。

少し前のマトリックスのレビューで「これ以降、映像革命は未だ起きていないぜ(キリッ」って私書いたけど、この映画が思いっきり映像革命起こしてますね。すみません。冒頭から宇宙ゴミの衝突からライアンの宇宙漂流まで、そこから間髪入れずにコワルスキーが救助して、シャトルに戻るあたりまで、一連の動きをまるでワンカットのように観せています。しかもカメラワークだけでなく、時にはライアンのヘルメットの中にまでカメラが入り、ヘッドアップディスプレイの情報まで私たちに観せる凝りよう。こんな映像観せようってアイデアに素直に感心します。

宇宙遊泳の表現も見事で、ライアンがISSにたどり着いて、ぶかぶかの宇宙服を脱ぎ捨て、細い体が出てきて、安堵の伸びをして、胎児のように丸くなる。無重力としか思えないこんな映像、ホントどうやって撮ったんだ?
ソユーズでの脱出で、広がったパラシュートと絡まるロープの表現なんて、適当にやっても誰も解らない所だろうに、凄い計算に基づいて動かしてるんだと思うと頭が下がります。
宇宙ゴミが音もなくISSを破壊する恐怖。音のない宇宙空間の表現として、不安感を煽る音楽を効果音のように使うセンスも素晴らしい。

私は普通の2D字幕版で観ましたが、宇宙空間のふわふわ具合、酸素が減っていく息苦しさ、広い宇宙で自分だけ取り残される心細さ…体感型アトラクションのお手本のような映像表現でした。これ3Dで観ていたら、もっともっと凄かったんでしょうかね?
2013年。今と比べて映画は全然元気でしたが、映画館で観る価値がある映画を創ったことに、大きな意義があったと思います。
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