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タイトル名 |
PLAN 75 |
レビュワー |
K&Kさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2024-04-25 15:38:56 |
変更日時 |
2024-04-25 15:49:31 |
レビュー内容 |
想像した通り『世にも奇妙な物語』みたいな近未来SF映画でした。 冒頭の、保険に加入するみたいにPLAN75を検討して契約するお婆さんがリアル。 最初の老人施設襲撃事件に、老人ホーム入口の厳重なボディチェックが示すように、高齢者を守ることにお金も人も掛けなければいけないタテマエと、PLAN75の法案を通してしまうホンネ。結局、異口同音に『ジジババは早く死ね』って言ってる。 それだけ余裕のなくなった未来社会を描いたSFだけど、ミチの家の台所には'80年代が全盛期だった、チャーミーグリーンっぽいのと粉末クレンザーっぽい懐かしい洗剤。PLAN75の存在以外は全部今の時代と一緒。
ミチのような高齢者は、生き続けるためには78歳になっても働かなきゃいけない。働く=世の中の役に立たなきゃいけない。役に立たないなら世の中から必要とされなくなる。だったら死ぬしかないよね。って、自分で選んで結論を出したように誘導させる恐ろしい社会。 世の中の役に立たない高齢者が沢山居る社会は、実は豊かで余裕のある社会なんだろうなと思い知らされる。今後の高齢化社会を心配している日本って、やっぱり豊かなんだなぁ。 死を選んだミチが、最後の施設で薬や水を渡す若い職員に、いちいちお礼を言う姿がとても日本人らしい。ミチさん、この若い人たちの未来のために、自分の死を選んだんだよ?なんでお礼言うの?お礼言うのは職員の方でしょ?なんて思ってしまう。 最後、ミチは自ら死ぬのを止めたんだと思った。けどwiki見ると手違いでガスが出なかったって、そうだったんだ。ちょっと伝わりにくい。
年寄りの話をよく話を聞いてくれる優しいオペレーターは、PLAN75を選んだ老人が心変わりしないよう誘導するのが仕事。 他の人と一緒に埋葬された方が寂しくないという方も…と勧めていた職員。合同プランの行き着く先は産廃ゴミ。 ボウリング場でミチのストライクに一緒に喜ぶ若者たち。そうなんだよな、こんな社会になって困ってるのは政府の方で、若者たちじゃないんだよな。 政策や社会が優しい言葉で『ジジババは早く死ね』って言ったとしても、私も一緒になって声を荒げるのは、避けたいな。…あ、私ももうすぐアッチ側か。 |
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