|
タイトル名 |
PERFECT BLUE |
レビュワー |
K&Kさん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2024-12-01 14:52:57 |
変更日時 |
2024-12-01 14:55:55 |
レビュー内容 |
『パーフェクト・ブルー 完全変態』という小説が原作(原案かも)で、タイトルの意味は良く解らないそう。 '90年代、羊たちの沈黙の大ヒット以降、サイコ・スリラーものがたくさん創られたけど、日本のアニメの代表作が本作かもしれません。 沙粧妙子みたいな劇中劇の効果もあって、アイドルへのストーカー犯罪として進行しますが、そのターゲット=ヒロインが、人気女優でもクラスの人気者でもなく、デパートの屋上イベントで歌ってる売出し中のアイドルグループの1人で、女優への方向転換期というのが、彼女の立場の不安定さを表しています。 当時はアイドル業界はモー娘。がデビューする辺り。インターネットが一般社会に普及していく拡大成長期。そしてジャパニメーションを世界中の映画関係者が観だした辺り…でしょうか。
ファンがあっけらかんと「未麻の部屋見てるよ~」というのにドキッとしました。あぁファンサイトの事か。と思ったらストーカーの本人なりきり日記風な内容にゾワッと…アイドルへの思いが独り歩きし、勝手な妄想と結びつく。それは未麻本人とは違う、ファンが勝手に作った未麻。現実の未麻が妄想の未麻と乖離したときに感じる不満と怒りが犯罪へと向かわせる。…って流れに思わせといて、女優を選んだ未麻自身の中にも、自分とは違う未麻が生まれ、どこまでが現実で、どこからが妄想か解らなくなってくる。でも現実世界はどんどん進んで、世間の思う未麻と、自分の思っていた未麻も乖離していく。怖い。最後は『うへぇ…』ってなりました。傘を持ってニコニコと追い掛ける妄想未麻と、鏡に映る必死に走る現実の犯人。あれは、誰視点の未麻だったんだろう?
アイドルって、こんなにも気持ち悪いものに囲まれてるんですねぇ、怖いですねぇ。最後、未麻が立ち向かったからホッとしましたが、下手すると作品全体の気持ち悪さと不快感の方が、勝ってしまったかもしれません。 本作の素材としての魅力は感じますが、面白いかと言われると微妙です。そう思ったのは、私にアイドルオタクの資質がないからかもしれません。アイドルに対するストーカーやルミの気持ちが、私には自分ごとのように共感できなかったんでしょう。そういう人たちがいて、そういう気持ちが芽生えて、で、そんな事になってしまったって、うわべの部分しか理解できなかったんでしょうね。 |
|
K&K さんの 最近のクチコミ・感想
PERFECT BLUEのレビュー一覧を見る
|