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タイトル名 |
ドント・ウォーリー・ダーリン |
レビュワー |
そくらてつこさん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2025-03-04 02:25:18 |
変更日時 |
2025-03-08 13:08:27 |
レビュー内容 |
~美しくも不穏な世界観が魅力の、少し惜しいSFミステリー~ 総合評価:4 +1(俺はこういう設定は好きなので+1) 1950年代を舞台にした美しい街「ヴィクトリー」。 ヴィンテージ感溢れる美術的なミステリー仕上げは見ごたえ抜群。 特に主演のフローレンス・ピューの演技が非常に魅力的で、映画の緊張感を高める。 ただ、 終盤の謎解きが駆け足気味で設定の背景整備に雑な部分があり気になってくるかも。 パラレルワールド的展開に興味があり、映像美を楽しみたい方にはおすすめ。 一方で、ストーリーに辻褄を求める方にはやや不満が残るかも。
― ここから先はネタバレを含みます ―
実はこの世界が男性優位の思想を具現化した仮想空間(VR)だと明かされる展開は衝撃的で、 1950年代風の世界観が逆説的に 不気味なディストピアとして明確になっていく美的センスがいい。
物語の謎解きが一気に終盤で行われキャラクターの行動にも納得できず。 特に、仮想世界を維持するためのご都合な設定に気が向いてしまう。 現実世界で稼ぎの良いはずの嫁が動けてないのにどうやって生活してんだ。 など気になって頭から離れなくなる。 キャラクターの動機付けももう少し納得ゆくように描かれていたら、 より完成度が上がったのにね。
しかし、ジェンダー批評の視点で見ると非常に興味深い作品であり、 『マトリックス』や『ステップフォード・ワイフ』と比較すると、 より社会批判的なテーマに重きを置いて、逆説的恐怖でそれを感覚化したのは高評価。
総じて、多少の粗さはあるものの、 テーマ性と映像美は秀逸で、そこに価値あると感じるかどうかで評価が決まるけど、 やっぱりもうちょっと煮詰めるって難しいのですね。 もったいないなぁ。 |
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