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タイトル名 |
ダンサー・イン・ザ・ダーク |
レビュワー |
トミーさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2003-05-13 16:57:15 |
変更日時 |
2003-05-13 16:57:15 |
レビュー内容 |
ミュージカル以外のシーンの色やカメラワークの悪さ、一転してミュージカルシーンの鮮やかな圧巻の演出。そう、「彼女」の中では音と幻想の世界こそが現実なのだ。彼女の中でひとたび音楽が始まれば、自らが命を奪った男も、彼女を憎むその妻も、冷酷な検事も、すべてが彼女を赦し、受け入れる。そしてついに最期、死を間際に圧倒的な絶望と無音の現実の中、彼女の息子への心の歌声をすべての人が耳にする・・・これは「彼女」であるビョークが音楽、いやむしろ「音」というこの世に存在する原始的で稀有な力の無限の可能性を訴えた作品でしょう。そこに理由など存在しない、そう、「見る」ことさえ必要ないのだ、と。それでいてそのメッセージを彼女がそのすべての存在を捧げる音楽ではなく、映画として表現する自己矛盾(彼女自身この映画は自分に対する裏切りであるとも述べている)。映画館上映での最初の数分間の暗闇はその葛藤を象徴するものでしょう。文句なしの10点のはずが、ただ貯めたお金を弁護士代ではなく息子の手術費にあてて自分はあっさり死刑にされましたが、なんとか友達が集めれば貸してあげられたんじゃないの?という脚本上の穴で映画としては9点。 |
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