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タイトル名 |
ドラゴン怒りの鉄拳 |
レビュワー |
天地 司さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2003-05-20 16:50:59 |
変更日時 |
2003-05-20 16:50:59 |
レビュー内容 |
1973年、当時高校生だった私にとってブルースリーとの出会いはその後の人生に影響する大きな衝撃だった。この日本公開第3作(香港主演第2作)は初日に映画館に並んだ記憶があります。当日私は白いTシャツに白いジーンズという服装でした。冒頭ブルースが白の上下で恩師の葬儀に駆けつけるシーンで「おお!同じ白だ!」と(今では笑ってしまいますが)感動していたことを思い出します。そういえば帰りに寄った中華料理店の店員さんもみな白の上下でした。この作品でブルースは中国人としての、武道家としての誇りを真正面から演じています。昔何かの本に、来日の際ブルースがスーツを作ろうとしたところ店員の態度が非常に悪かったためにこの2作目で日本人が悪役になったとありましたが、昔も今も半信半疑です。もしかしたら別の意味があるのかもしれませんが・・。他の主演作品とは異なり道場で多勢相手の格闘シーンがありますが、この時のブルースは狂犬のような凄みがあります。また、この作品は香港に帰省後のブルースが自身の武術ジークンドーを世界に広め、同時に世界に通用するスーパースターとなるためのプロセスとして取り組んだ意味でも重要な作品です。1作目、2作目でブルースは香港を中心にアジアのスターとしての地位を不動にできると確信したはずです。観客に支持されるよう配慮しているせいか、設定当時の中国人になりきっています。アメリカ暮らしで洗練されたセンスは、あえて控えめにしているように観えます。演技力もすばらしいですが、格闘シーンは誰もが初めて目にする本物でした。主演作で死んでしまうのはこの作品だけですが、私には「東洋人としての誇りを失ってはならないが、東洋に偏ってはいけない」というブルースのメッセージに思えます。事実、次の作品でブルースは世界へ飛び出していきます。虎は死して皮を留め、龍(ブルース)は死して名を残しました。世界でスーパースターとなった最初の東洋人、そして武道家です。本物は美しい。 |
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