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タイトル名 |
インサイダー |
レビュワー |
トリプルHさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2003-02-28 01:32:06 |
変更日時 |
2003-02-28 01:32:06 |
レビュー内容 |
(ネタバレあります)主要人物それぞれの立場、現実的な視座に基いて描かれていてよかった。その個々の利害の交錯の中で、何か絶対的なもの(ジャーナリズムあるいは正義)を描こうとしているように見えたが、誠実な男の自分なりのけじめのつけ方、男たちの男っぷりも印象に残った。組織的な隠蔽という意味では雪印食品を思い出した。確かにタバコごときで・・と初めは思ったが、牛肉の偽装が行われていたのを知らなかったのと同様、タバコが危険というコンセンサスができていなかったとしても理解はできる。それと忘れられないのは、車の中での会話で「他には?守秘義務の範囲外で?」とジェフリーに聞かれてローウェルが「ニックスはファイナルに行けるか?」と返したところのやり取り。ジェフリーが初めて(彼に対して)微笑し、ローウェルも一瞬、ほんの一瞬笑みを浮かべるのだが、ジェフリーが彼のほうを向くか向かないかのうちに、パッとそれを消して顔をそらす。ローウェルとしてはジェフリーとやっと距離感が縮まったという安堵があるはずなのだが、それを無意識裡に表に出すのは一瞬だけに留めて、本心を覆い隠す。自らの機転で「手柄」(確実に何かが解けた)を挙げたにも関わらず、それに浸らず、すぐさま次のステップへ進むのだと自らに言い聞かせているようにも思え、高い職務意識が伝わってくる。これは葛藤に苛むジェフリーへの気遣いもあるのだろう。緊張と弛緩という視点から見ても、二人の距離感の微妙な変化、心理の機微はヒシヒシと伝わってくる。「ニックスは~」をさらりと言ったのもよい。いかにもジョーク言いますよ然とした、大仰そうな語り口では、弛緩どころか怒りすら買うことになりかねないからだ。(「マジメに言え!」的な) パチーノ、シビれるねえ。 |
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