|
タイトル名 |
エイリアン3 |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2010-03-09 12:03:06 |
変更日時 |
2010-03-09 12:03:06 |
レビュー内容 |
ヒロインは坊主頭。まわりの男どもは僧服のようなものを着て、セットはざらりとした中世修道院風。うろついている犬。カタコンブのような地下の迷路。そしてラスト火の中に消えていくヒロインとくれば、これはジャンヌ・ダルクを描いた宗教映画だろう。とうぜん活劇映画としては地味になってしまう。タルコフスキー的な陰々滅々とした雰囲気の中でいくら走り回っても、爽快感は訪れない。だいたい宗教はあまりに「思弁的」で「反活劇的」である。活劇の人間は「考える」のではなく「企む」べきなのだ。定められたルールの中で企て合うゲームに酔える人間でなければならない。そこが宗教映画と活劇映画が両立できないところ。また対抗するエイリアンが前作のクイーンを見た後では貫禄に欠けた奴で、一生懸命チョコマカチョコマカ走ってはいるが、かなり物足りない。でも、宗教映画と割り切って鑑賞すれば、邪悪なものを内に孕んだまま火で浄化されていくヒロインは、自分のうちに魔女がいる可能性を肯定してしまったジャンヌ・ダルクであって、結論としてそれなりの面白味はなくもない。 |
|
なんのかんの さんの 最近のクチコミ・感想
エイリアン3のレビュー一覧を見る
|