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ディック&ジェーン 復讐は最高!(2005年【米】)気楽に観れるヌルコメを期待して借りてきたのに…意外にちゃんとした作り具合が、かえってガッカリ感をUPしてしまった。ギャグが思ったよりキツいんだよな。
安定した存在感のジム・キャリーも、この物語の中ではイマイチ感が強い。もっと毒気のない、ファミリー向けな幸福感を演じるのが巧い、ちょいデブ白人…例えば『ミッドナイト・ラン』『イシュタール』の頃のチャールズ・グローディンだったらドはまりだっただろうと思う。 ただ最初の強盗シーンでの逃走場面、「ハリウッド史上最も無意味なカーアクション」のノリには、心地よく苦笑させてもらいました。あのシーン撮った人々も、そういう笑いを期待してるんでしょうナ。あと、主人公のサイトが出来てるのを知らされる場面の突き抜けた不幸っぷりもナイス。ラルフ・ネーダー本人から罵倒される(と同時に株価が激しく下がっていく)場面もいいねー。 エンロンやワールドコム等々、こういうドラマは現実にうんざりするほど起こってて、まあ即座に悪玉の筆頭格だったケネス・レイなんかを思い浮かべるわけなんだけど、映画のネタにするには時期を逸した感が強い(ケネス・レイが死んでから企画を立てたんだろうな…)。オープニングとエンディングで、本作が「歴史ドラマ」になってしまっている事を再確認できてしまうんだな。オイラもこの時期はけっこう辛い目にあったけど、観ていて我が身に迫らないんだよなあ…特にあの終わり方が。コレ、ITバブル供養映画ですかい? やっぱこういうのはサッと作ってササッと公開しなきゃダメでしょ。 |
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