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あれ(1927年【米】)ごめんなさい。まだ観てる途中なんだけど、あまりに展開が面白くて、あまりにクララ・ボウが可愛くて、あまりに予想外のガッツ・ストーリーで、この感動を忘れぬうちに…と書き込みに来てしまいましたわ。
とにかく面白い。ハロルド・ロイド『要心無用』の舞台設定に、『ロイドの人気者』的ピュアな片思い。下司なアメリカと愛くるしいアメリカの合体。これをロイドがやるといささかドラえもん風になっちゃうんだけど、クララ・ボウは物語の中に溶け込み、画面のハンドルをキッチリと握って離さず、後に乱発される類型他作の追従を許さない域にいる。 『或る夜の出来事』のヒロインと比べて、その純粋さはどうだ。 『赤ちゃん教育』は相当キてるけど、恋する瞳・目ヂカラの差は歴然。 『バルカン超特急』のヒロインも似てるけど、一喜一憂する少女ぶりに負けてる。 多分、リタ・ヘイワースの作品をもっと観れば、オーバーラップする部分をいっぱい見つけられるんだろうなあ…いや彼女は世間的には悪女の代名詞だから、あくまで想像なんですけど。 これから残り2/3を楽しみに観て、また書きに来ます。この点数はまだ実況中という事で。 残り1/3あたりなんだけど、婦人会のオバチャンたち! いい味出してるな~! この脚本、ロイドだけじゃなしに『イントレランス』の現代パートも相当に意識してますね。まあ19世紀からおなじみの《ロマンスの紋切り型》と言えば、確かにそうなんだけど…。 でも、悲劇性を吹き飛ばす能天気「あれ」ガールの力。そこにこそ本作の新味があったに違いない(現代ではもうカビが生えてるんだけどさ…)と信じてラストスパート鑑賞へGOだ。 『イントレランス』ネタの後は普通のメロドラマに落ちるかと思ったのに、最後にタイタニックを持ってきますか! しかもクララ・ボウ、泳ぎめっちゃ速ええッ! 海で泳ぎながら、 「I'm go home!」 には笑わせてもらいました。心底。 もう全体の筋立てが滅茶苦茶でロマンスとしての完成度は低いんですけど、チャップリンに代表されるスラップスティックとスクリューボール・コメディのミッシングリングを発見できたという意味で貴重な体験でした。 この、2つの時代を代表するジャンルが交錯するわずかな期間でしか、クララ・ボウが輝けなかったというのは残念ながら真実だし、だからこそ逆に、この輝きはとてつもなく激しく、まぶしく、オイラを魅了したんだな。 別の言い方をすれば、彼女が後の時代の映画を規定したのかも。ヒロイン・ベティに魅了された観客たちの心が、トーキー時代になってもこういう恋愛談を求め続けた結果、スクリューボール・コメディを完成に導いたんじゃないだろうか。 ロイド好きのオイラには、生涯外せない傑作をまた拾ってしまったのが嬉しかったです。 |
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