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世界最速のインディアン(2005年【米・ニュージーランド】)去年からオーストラリア・ニュージーランド映画が大好きになってきているんですが、これは直球ド真ん中のオージーテイスト。
ピストン作りの、ほとんど錬金術まがいのやり方がツボでした。本作の1世紀前には本当にこんな感じで機械を作っていたわけだから、爺さんの超アナログなやり方は決して奇矯ではなくむしろ正統的。そういや、日本刀の名匠・虎徹も古い鍋とか鉄瓶を好んでもらってきては刀にしたんだそうで(「古鉄」をもじって名乗ったらしい)。 ブレーキもない、パラシュートもない、スタンドもない、スターターもない、そんな人生でもいいじゃん。規格外でもいいじゃん。ニトロがないと走れなくてもいいじゃん。男でも可愛ければレディじゃん。 それがオージーな生き方じゃん? ●追記: あーでも、アンソニー・ホプキンスの演技がイイかというと微妙なんだなー。 彼は巧者だが、今回もレクターを産んだように創造的、ってのとはちょっと違う。 もし演技を誉めるなら、この「南半球田舎者」のプロトタイプを産んだ、ポール・ホーガンを誉めるべきじゃないかなー。ホプキンスは、『クロコダイル・ダンディー』で拓かれた道を世界最巧でつっ走っただけですよ…そこがいいんだけどね! ●追記2: 1日経過してみて、10点に格上げ。 鑑賞時、微妙〜に白豪主義がチラついて気になったのが減点理由だったんですが、「主人公はインディアン」と捉え直す事で解消しました。もう、バート・モンローさえも端役に見えて来ました。無口で多くを語らないバイクだからこそ、不器用でスピードに特化したバイクだからこそ、オールマイティな爺さんの道中とは正反対に、今にも折れそうなほどのまっすぐぶりで泣かせてくれます。 うーん、インディアンが貨物船の中で肥料の下敷になるサスペンスシーンとか、観たかったかも。 |
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