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ファースト・スクワッド(2009年【露・日・カナダ】)いやはや、奇作すぎて言葉がないです。
美術面ではロシアの好む色使い(ユーリ・ノルシュテインみたいなやつ)に、ロシア・アバンギャルドとドイツ表現主義と描線のハッキリした日本の画造りが混ざり込んでて、その結果かつてない次元に位置する孤高のアニメ…になるかと思いきや、カット毎・パート毎にこの美術センスが切り替わってしまうので「融合」ではなく「衝突」になってしまう。志は高いんだけど、日本アニメの外注方式が裏目に出ましたな。こういうのは少数精鋭のスタジオで5年くらいかけて制作するタイプの企画でしょう。 でも、すごく色々と気づかされました。何より、この作品に限らず(つまり「話の話」なんかも含めて)ロシアでの金色というのは神の世界を表してるんだというのがハッキリ体感できました。 表現主義パートは正直ショボすぎるんだけど、まあいいや。 ソ連の敵がドイツというのは安直だったと思います。 中世の脅威を絡めるんなら、ロシア×モンゴルの方が彼の地的には納得されやすいはずで、そうすると時代を半世紀巻き戻して日露戦争かシベリア遠征中の日本を敵にして、もっと堂々とロシア・アバンギャルドを取り入れ、さらに東洋と西洋の生死観をがっぷり四つに…妄想が広がるなあ。 そういう、いろんな妄想を楽しませてくれた点で、2点上乗せします。 |
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