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地獄の変異(2006年【米・独】)えむあっ。さん偉い! よくぞ登録してくれました(つうかオイラが単なる面倒臭がり)。
確かに後半はあ〜んな展開になりますが、山岳映画・密林映画が腐るほどある中、貴重な洞窟探検モノとしてトップクラスの作品です。ただ、確かに死にフラグの立ちっぷりは見事(苦)。 この映画はセットに金をかけたそうで、セットの中で本当にロッククライミングやっちゃう(ワイヤーワークもありですが)のが凄かった。激しい伏流水にどんどん流されて行くとか、白サソリの群れとか、洞窟モノのお約束もしっかりキープして安定感ある展開。でも体育会系の運動会映画かといえばそうではなく、学者メインの研究チームを主人公たちに据えてますから、『ツイスター』なんかのノリに近いっすね。敵は竜巻じゃなく押し潰されそうなほど圧倒的な岩盤ですが。 あと、普通のホラーやアドベンチャーとは違って、チームで脱落者が出たら必ず救出に行く。行方不明の仲間を絶対に見切らないプロ魂が、けっこう静かに熱い。泣けちゃうシーンも多々ありました。 …なーんて、こう書くと「硬派の洞窟探検モノ」と思われてしまいそうなので、未見の方へヒントをひとつ。 この作品、スタッフとしてパトリック・タトプロスが参加しています。そう、アメリカ版ゴッドジ〜ラやピッチブラックなんかを手がけた、《生態系丸ごとデザイン》印のタトプロス先生です。 …はい、普通の冒険モノじゃないのはおわかりですね? はっきり言って本作でのモンスターはストーリーの邪魔で、「こいつら不要」の一言で終っちゃうんですけど、一応タトプロスが携わっただけあって微生物から肉食生物まで、食物連鎖の全てを設計してあります。真の敵はどっちかっていうと窒息しそうな洞窟そのものですから、優秀なデザイナーを見事に無駄使い。その捨てっぷりは心地良いくらいでした。 なんかもう、上映中に館内放送が流れて「ケイビングが好きで足を運んでくれたお客様へ業務連絡です。申し訳ございませんが、我々は一般客も呼ばなければなりません。これから10分ほど目をつむっていてください」って言われたようなイキナリ感です(笑)。 以下は落ちバレ。 観てから既に半年を過ぎましたが、ラストシーンは今でも心に残っています。 東欧深部のルーマニアの裏路地、まだ車と馬が一緒に走ってるような界隈で、新たな種の存在が一瞬かいま見える…この渋さとマトリックス風な演出(監督はマトリックスシリーズの助監督だった)に「くぅ〜」と声を漏らしてシビレ切ってしまったオイラなのでした。後半の現実感のなさを差し引いても十分なおつりが来るほど、あのラストは素晴らしかった。 個人的には若手美人探検家チャーリー役のパイパー・ペラーボがツボ。というかもうドツボ。身体を張った見せ場もキッチリあって、スレンダーな女優ならではの筋肉の動きが楽しめます。パイパーの姐さんには、もっともっとデンジャラスなバディムービーに出て頂きたいと願うばかりです。 |
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